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人込みをぬって歩くロボット技術、日立が開発

» 2006年09月12日 20時14分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は9月12日、歩く人の間をぬって移動できるロボット技術を開発し、同社のロボット「EMIEW」に搭載して動作を確認したと発表した。ビルやホテルなどを案内するサービスロボット実用化への道を拓く技術としている。

 同技術を搭載したロボットが、8メートルの経路中、通常の歩行速度(最大秒速1.2メートル)で歩く4人の人間の間を、秒速約0.8メートルでなめらかにすれ違ったのを確認した。

 ロボットの移動制御に、人がすれ違う際の行動パターンを取り入れた。レーザーを使った距離センサーで人の位置と移動速度を検出し、人の周りに一定の距離を持った円を想定。この円にEMIEWが接するような最短距離を選ぶ、という方法を採っている。

 センサーは、人の足までの距離を毎秒約40回測定。障害物の検出と新たな道順の作成は約0.5秒ごとに行っている。0.5秒は人が1歩踏み出すのに要する時間と同じで、人の動きの変化に追随できる早さという。

 筑波大学との共同研究の成果を活用した。同技術は「第24回日本ロボット学会学術講演会」(9月14日から、岡山大学津島キャンパス)で発表する。同技術を搭載したEMIEWのデモを、自動車技術の国際会議「FISITA 2006 World Automotive Congress Yokohama」(10月23日から、パシフィコ横浜)で行う。

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