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Siemens、ネットワーク速度記録を達成

» 2006年12月21日 09時50分 公開
[ITmedia]

 独Siemensは12月20日、未来のネットワークの実験に成功したと発表した。

 この実験は独ASIC技術企業Micram、独Fraunhofer Institute for Telecommunications(FIT)、蘭アイントホーフェン技術大学との協力の下で行ったもの。米国において100マイル(約161キロ)の長さの光ファイバーケーブルを介して、107Gbpsの転送速度でデータを処理して送信することに成功した。DVD 2枚分のデータを1秒で転送できることになり、チャネル当たりの転送速度は現行の2.5倍となる。研究施設の外での成功はこれが初めてという。

 この記録的な速度を実現したのは、新たに開発した送受信システムだとSiemensは説明している。このシステムはデータを光信号に変換する前と後に、電気処理のみを使ってデータを直接処理するという。これまでは、信号をより転送速度の低い複数の信号に分割し、後で光信号から電気信号に再変換しなければならなかった。これはコストを増やし、キャパシティを低下させる。

 Siemensはデータの送受信を電気のみで処理するシステムを構築した。これはパフォーマンスを大幅に増強し、理論的には、10万人のDSLユーザーからの信号を同時に処理することが可能という。このプロトタイプを基にした最初の製品は、2〜3年以内に市場に登場する見通しだと同社は述べている。

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