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海外記事とキーワードで振り返る2006年(3/3 ページ)

» 2006年12月26日 08時30分 公開
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koya Parallels Workstation for Mac。いまはParallels Desktop for Macの登場は衝撃的でした。その前に出た、BootCampがかすむほど。

sawa Boot Campの名前がとっさに出てこなくなっちゃったほどに。

koya まあ、その実装の具合は次期Mac OS XであるLeopardが出てこないとわからないけど。

sawa Vistaにも対応してもらわないと。

hiro そういえばマシンパワーの問題は大丈夫なんですか? Vista-Ready PCのスペックはかなり高いですが。

koya Macなら問題ないのでは。GPUの問題はありますが。

sawa Windows Vista Capable PCロゴつき?

koya それより、Parallelsの課題だったUSB 2.0対応は最新のβで実現したし、3D対応、さらなる高速化が実現すれば、デュアルブートの必要性はさらに減る。

koya 新しいParallelsのXPとMacOS Xの共存具合はすごいよ。Coherencyで、DockとStartメニューが混在して、Windowsアプリがウィンドウ独立型で動く。

sawa うわー気持ち悪い。

koya  まあ、気持ち悪いけど、使わなくちゃいけない人にとっては便利です。VMwareも、Fusionという、Intel Mac用のVMをβ公開したね。これはこれで、デュアルプロセッサ対応してたりとか、Parallelsにない機能があるので、発展してほしいところ。

hiro 逆の流れ(WindowsマシンでMac OS)ももっと進んでほしいですね。

sawa 名前がまぎらわしいです。Oracle Fusion middlewareとまざってしまう。

koya Fusionってみんな使いたがるけど、もともとは、Windowsマシンで、Mac OSを動かすエミュレータがFusionという名前であったという歴史は、みんな覚えてないだろうなあ。

sawa 覚えてません。

hiro それは初耳かも。Fusionって聞いて真っ先に思い出すのがサイヤ人(笑)。

koya うはあ。

sawa またの名をクロスオーバー。

koya CrossOverといえば、Windows APIをLinuxなどで置き換えて実行可能にするWineを商業化して使いやすくしたCrossOverのMac版が出ています。IEやOfficeのインストーラがついてくる。これも要注目ね。そういえば、MSもVMを使ってきたね。意外なところで。Mac用Virtual PCは、なしということになっちゃったけど(「Intel Mac用Virtual PCはなし」とMicrosoftMS、Windows XPのVPCイメージを無料提供――IE 6とIE 7の検証用)。IE 6/7の互換性問題で文句を言われたら、XPをさくっとVMで提供しちゃった。

hiro そんな話もありましたね。IE 7はまだ導入してないですが、周りではちらほら「あれに対応してない、これに対応してない」の声が。

koya Firefoxもそうだけど、ブラウザに依存するアプリケーションが多いだけ、互換性には問題がつきまとう。今年は、ブラウザが、1つのプラットフォームとして認められる大きな転換期でした。特に、Googleの「OfficeをWebで」というのが大きい(「GoogleSpreadsheets」、テスト開始Google版Office「GoogleDocs」登場か?Google版Office? 「GoogleDocs & Spreadsheets」のテスト開始)。

image Google Spreadsheets

hiro ワープロと表計算の2大ビジネスソフトを押さえたのは大きいですね。

koya しかも、そのために幾つもの企業買収をしている。

sawa 日常的な使い方ならワープロも表計算も十分使えます。

hiro あとはプレゼンソフトですね。

koya 噂のあったThinkFreeは?

hiro ThinkFreeに買収は断られたという話を聞きましたが、ThinkFree的には「協力はしてもいい」とか。でもGoogleのことだから、よそのソフトをライセンスして、というよりも、結局どこかを買収しそうな気がします。

koya コラボツールでも、JotSpotを買収しちゃった(Google、WikiツールのJotSpotを買収)。

sawa こういうユーザーから見ると便利なサービスがすべて広告のためなんですよね。

koya 有償サービスも、うまくからめていくと思うけど。

sawa 一般ユーザー向けの有償サービスとしては例えばどんなものが?

koya 最近ではドメインサービスも始めたし。

hiro Google Earthも有償版がありますよね。

koya Gmailからコラボツールから、ドメインから、みんなGoogleで囲い込もうとしている。MicrosoftのLive戦略と真っ向から戦ってますね。

sawa 両社の新機能合戦はなんだかユーザー不在な感じがします。ニュース配信する方は「あれ、このあいだの機能追加はどっちの話だっけ」な状態に。

hiro Earth系のサービスは楽しいですけどね。

koya Google EarthとVirtual Earth。

sawa Google MapsとLive Local Search。

koya とにかく、GoogleとMS関連の機能アップは毎日、チェックしてないといけない。

sawa 公式ブログで。

hiro 毎日のように告知が出ますから。告知なしでアップデートされるのが一番大変。

koya たしかに。ランダムにテストしたりするから。

hiro 実際のサービスとヘルプから記事書くのは大変……。

koya Earth系で、いちばん気に入ったのはどの機能?

hiro 3Dがいいですよね。日本にももっと対応してほしい。

sawa 機能ということでもないですが、地球儀状態で住所を入力しただけでぐーんと目的地までフォーカスしていくのは気持ちいいです。日本でもイタリアでも、すぐに降りていける。

koya ぼくは自分ちが勝手に3D化されてるので、それをリアルなものにしたいな。SketchUp使いこなして。

sawa そんな豪邸なんですかっ!

koya いや、一軒家だから。ただの四角い箱。

hiro びっくりした。

sawa 銀座の三愛ビルとかはちゃんと円柱になってますよね。

koya 日本だと、ゼンリンの住宅地図ベースのデータ提供だから。

koya 外見をリアルにするアプローチでは、Microsoftの斜め45°もすばらしいけどね。はやいとこ、日本対応してほしい。

sawa 東西南北ばっちりデータを揃えるのは大変でしょうね。

hiro 実現したら、スクリーンショットは恒例のビッグサイトで(笑)。

koya はい。それはもう。

hiro GoogleはSketchUpとかPicasaとか、画像系のツールも充実してきましたね。このぶんだと動画編集なんかの方にも行きそうな気が。

koya ああ、いきそうですね。

hiro Yahoo!が買収したJumpcutみたいな、Webベース動画編集ツールなんかあると便利そう。

sawa Googleのツールで編集した動画をGoogle傘下のYouTubeにアップする。

koya オフィシャルマッシュアップを認める場合なんかは、そのほうが管理しやすいだろうね。

hiro アニメーション編集ツールなんかも出しちゃったりして。そして次の敵はAdobe、とか……。

koya Adobeは、Microsoftのほうが敵にしだしたね。

hiro そう言えばMetroでもめたりしましたね(MS、Flashキラー「Expression Studio」の詳細発表)。

koya 来年、MSがどうやってくるのか。

koya 少なくともExpressionの筋は非常にいいので。Mac版なくなっちゃったのは残念だけどね。

「巨人たち」の退場

sawa ゲイツ氏はまだ来年はMicrosoftにいるんですよね。

hiro 2008年引退の予定です。正確には2008年7月。

image スコット・マクニーリー

koya 引退と言えば、マクニーリー(サンキュー、グッバイ、マクニーリー)。激しくやりあった二人が引退し、両社は提携、と。

koya MSと対立、といえば、レイ・ノーダ氏([WSJ]Microsoftに挑み続けた“放浪の社長”)。

hiro 今年は業界の重鎮が去った年でしたね。

koya そうですね。ノーダ氏は、むかしホテルの部屋でインタビューしたのも思い出です。亡くなったといえば、大きな業績を残して亡くなった方として、ウィリアム・ノリス氏(スーパーコンピュータの先駆け的存在、ウィリアム・ノリス氏死去ディスクドライブのパイオニア、アル・シュガート氏が死去)。これもですね。

hiro 新しいように見えるIT業界も、結構歴史があるってことですね(Internet2、設立10周年――100Gbpsの新ネットワークインフラが一部完成)。

koya もう10年たってるんだ、と。

hiro Appleは今年30周年でしたし。

sawa IBM PCも25周年だし(PC誕生から25年、業界を変えた25の製品)。

hiro HDDも50年です(5Mバイトからのスタート HDD誕生から50年)。

koya そういや、12月20日はAppleによるNeXT買収からちょうど10年だ。

koya では最後に、社会系のネタでしめましょう。

image 100ドルノートPC

hiro 今年話題になったのはやはり100ドルノートPCでしょうか(100ドルPCプロジェクト、最初の1000台製造に成功)。

koya ようやく実際に動くところが動画で。これも、YouTubeででてきました。

hiro 普通に売っても結構売れるんじゃないでしょうか。

koya Linux PCとしては、PS3より安いし。

hiro 日本でも売ってほしいですね。実物が見たい。

koya ですね。それまではエミュレータでがまん、かな。

sawa 途上国向けということで利益はあまり出ないんですよね? 日本では高く売ってもいいかも。

koya 2万なら普通に買うでしょう。

sawa 2万でも安い。

hiro お金がある人にはちょっとだけ高く売って、売り上げを寄付すればよいのでは。

koya そうですね。(PRODUCT)RED的に(赤いiPod nano、登場)。

hiro ノートPCと言えば、バッテリー爆発問題もありましたね(拡大するリコール、ソニーのバッテリー過熱問題)。

koya この問題はいまだにくすぶってますね。

sawa あの後の携帯電話用電池とかDSの電源とかの問題がかすんでます。自宅で使っているノートPC2台もバッテリー交換しました。

koya うちも1台。

hiro 実際に萌えた、じゃない燃えたマシンの画像とかWebに出回ってて衝撃でした。

koya 燃料電池とか、新しいテクノロジーはまだ先みたいですね。実用化、という意味では。

koya そういう夢のあるテクノロジーはなかったですか?

image KFCのサイトから

hiro テクノロジーそのものではないですが、「宇宙からカーネルおじさんこんにちは」はロマンがあってよかったと思います(ケンタッキーのカーネルおじさん、「宇宙から見えるロゴ」に)。

koya 宇宙規模の広告ね。Googleとかが、シベリアの広大な土地を買って、巨大なAdSenseにしそうな予感がするぞ。

hiro Second Lifeも夢があるっちゃありますね。3Dバーチャル空間に自分の分身を住まわせるって、前は映画やマンガの中の話だったので。

koya いまや、ビジネスになってるからなあ。

hiro バーチャル空間に「ダイブイン」できる技術はまだ遠いでしょうが。

koya コントロールする技術はけっこうでてきたよね。このへんはLifeStyleの領域だけども。

hiro あとは印象に残ったのは音楽人体通信とか(音楽も人体通信で――ソニーが特許出願)。

koya そうそう。こういう特許の検索が楽にできるようになったGoogle Patent Search(Googleが米国特許の検索サービス「Google Patent Search」公開)。

hiro ソースコード検索もGoogleでできるようになりましたよね(目新しさに欠けるGoogle Code Search)。

koya やっぱりGoogleかあ。

hiro Googleは「すべての情報を検索可能にする」目標に着々と近づいてる、ということで。

koya いろいろ話題をふっても最後はGoogleに戻ってしまうということでもある。

hiro それだけ影響力が大きいと言うことですよ。

koya ですね。「悪いことはしない」というのはぜひ守ってほしいもの。

sawa 悪の帝国にはなりませんように。

hiro ですね。2007年も「Don't do Evil」でよろしく。(こんなところでGoogleによろしくしても……)

sawa Don't be evil.

koya And A Happy New Year. では、CESとMacworldネタでお会いしましょう。



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