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Ford、2008年モデルにMSベース車載システムを採用

» 2007年01月10日 15時42分 公開
[Wayne Rash,eWEEK]
eWEEK

 米Ford Motorは、Microsoftの技術に基づくFord Syncソフトを装備した自動車を投入する。同ソフトによりPDAやスマートフォン、音楽プレーヤー、携帯電話など、各種のBluetoothおよびUSBデバイスを車に接続できる。

 SyncはWindows Mobileの車載版をベースにしており、音声やハンドル上のボタンで操作できる。1月8日にデトロイト自動車ショーで発表されており、まず今年秋にFord、Lincoln、Mercuryの12車種に採用される。

 「一般に、こうした機能はまず高級車に導入されてから、数年かけて量産ブランドに搭載されていく」とFordブランドマーケティング戦略マネジャーのケビン・ケリング氏は述べた。「だが、人々が求めるものを手ごろな価格で提供するというのが、われわれの常に変わらぬブランドDNAだ。われわれは秋に発表する2008年モデルでSyncの提供を開始する」

 Syncは音楽プレーヤーのAppleのiPodとMicrosoftのZuneや、PlaysForSure対応プレーヤーのほか、USBメモリに保存された音楽をサポートする。Bluetooth対応携帯電話との同期が可能で、携帯電話の電話帳を利用できる。

 また、Syncでは携帯電話で任意の着信音を使用でき、相手によって着信音を変えることもできる。だが、電子メールやゲームは利用できないようになっているとケリング氏はeWEEKに語った。「ながら運転は禁物だ」

 接続された携帯電話や音楽プレーヤーは音声で操作でき、曲名を口頭で指定することもできる。

 この音声システムでは、テキストメッセージの読み上げ機能も利用できるほか、20種類の返信メッセージが用意されており、その中から選んで返信することもできる。テキストメッセージの読み上げでは、「LOL」(Laughing Out Loud)や「BFF」(Best Friends Forever)といったよく使われる略語も元の語句として読み上げられる。

 ケリング氏によると、Syncソフトは将来、新しいデバイスを使えるようにアップグレードできる。またSyncでは、曲名や発信者情報、電話帳のエントリー、携帯電話の動作情報などの関連情報がダッシュボードディスプレイに表示される。「Syncは、われわれのすべての無線システムと共存する」とケリング氏。「基本的なカーラジオと連携し、その1行ディスプレイに情報を表示する。一方、ナビゲーションシステムは全画面表示だ」

 「ブランドの観点から言えば、Syncは、Fordがわれわれの米国のイノベーションプラットフォームを基盤としていることを証明している」とケリング氏。「SyncはわれわれのブランドDNAを体現している。多彩なパーソナライズ機能を盛り込むつもりだ」

 Fordは、iPodのすべての機能が問題なく動作するようにするとともに、音声コマンドを使って、再生中の音楽に似た音楽の再生を指定したり、さまざまなシャッフルを指定したりするなどの付加機能も利用できるようにしていると、ケリング氏は語る。「また、われわれはAppleと協力して、保護されたコンテンツの再生機能を用意している。Syncでは、そうしたコンテンツをUSB接続で再生できる」

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