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「検索技術はGoogleより上」――FASTが日本市場に攻勢

» 2007年02月21日 17時41分 公開
[岡田有花,ITmedia]
photo 徳末社長

 「『検索技術はGoogleより上』という信念でやってきた」――企業向け検索システムを手掛けるノルウェーFAST Search&Transfer日本法人の徳末哲一社長は、同社の検索技術への自信をこう表現する。検索技術を適用できる分野は今後広がるとし、「検索は、何かとんでもないことが起きる時期に来ている」と語る。

 FASTはノルウェーのオスロに本社を置く検索企業。ノルウェー工科大学の技術開発の成果をもとに、1997年に設立された。Googleのようなロボット検索ポータル「alltheweb.com」開発でノウハウを蓄積。allthewebは2003年にOvertureに売却し、エンタープライズ検索一本に絞って成長してきた。

 日本国内へは、2002年に日本アイ・ビー・エム(IBM)と提携して本格参入した。「楽天市場」の商品検索システムを構築したほか、日産自動車や日立製作所、ヨドバシカメラ、リクルートなどが同社の検索システムを導入している。

 同社の売りは、レガシーなデータベースからネット上のデータ、電子メール、XMLデータなどを多様な形態のデータをまとめて一元検索でき、検索のフローや結果の提供方法を顧客企業のニーズに応じて変更できることだ。「Googleは、検索結果が出てくるフローがブラックボックスだが、当社はホワイトボックスだ」

 徳末社長は、検索の適用範囲は今後も広がると見ている。例えば、企業内で不適切な内容の電子メールがやりとりされていないか検索してコンプライアンス向上につなげたり、ネット上で自社に不利な情報が載っていないかチェックし、ブランド向上や著作権侵害防止に役立てたり、ニュースサイトで過去記事を高精度に検索できる機能を提供し、有料販売する、などといった例が考えられる。

 同社の2005年のワールドワイド売上高は1億6300万ドル。うち約5%が国内分だ。これを10%に高めるのが日本法人の当面の課題だ。さまざまな分野の企業に対して検索技術の導入を働きかけていく。

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