「コミケで出しているうちにうまくなり、出版社から本を出したというケースがままある。出版社はコミケを敵に回して、新しい作家が入らなくなるのが嫌なだけ。大丈夫と思っていても、同人誌作者が突然捕まることもあり、バランスを取っているわけではない。人のつながりを軸にした共存関係がある」(ひろゆき氏)
その上で「ニコニコで面白い番組を作る人が、普通のテレビ番組や映画を作る、というつながりができれば、その方が日本的だろう」とした。
著作権者とビジネスの微妙な関係についても言及する。「著作権は親告罪。権利者に嫌と言われないと嫌かどうか分からない。例えばニコニコ動画で人気となり、DVD化された『陰陽師』は、権利者側がニコニコ動画上で見つけて声をかけてくれ、ビジネス化につながった」(ひろゆき氏)
「権利者側は『違法だがメリットはあるかもしれない』とも思っている。『違法だから止めろ』と言うか、ビジネスになりそうだからとそれに乗ってしまうか、という判断は権利者ができる」(ひろゆき氏)
クリエイティブ・コモンズ(CC)のライセンスを活用した2次利用を進めよう、という動きもあるが、ひろゆき氏は「日本の著作権法では、CCを完全には適用できない。CCは企業のルールとしては使えないと思う」と否定的だ。
「コンテンツを著作権フリーにした場合に企業にとってどんなメリットがあるか会議で説明できる人はいない。だから(自社の著作権を侵害した動画のアップを確認した際は)、暗黙の了解のもとで、うまくいきそうならば乗り、そうでなければ止めよう、という日本的な判断にならざるを得ない」(ひろゆき氏)
クリエイターのサービス構築スピードも上がっている。「Webプログラミングは、銀行のシステムなどでない限り、1人で作った方が早い。ニコニコ動画のプロトタイプは、プログラマー1人が1週間で作った。他の人が作ったモジュールを組み合わせてプログラミングできる環境が整ってきている。ソーシャルブックマークサービスを15分で作る様子の動画も見たことがある」(ひろゆき氏)
Web動画の高画質化の可能性については、「PCのCPUの成長は止まった。ノートPCも、17、19インチなど大画面は流行していない。薄型テレビは大きくなっているが、PCの技術的進化は止まると思う」と語り、PCディスプレイが大画面化しない以上、さらなる高画質化は当面必要とされないだろう、という考えを示した。
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