理化学研究所は9月14日、10P(ペタ)FLOPSの性能を持つ次世代超高性能スーパーコンピュータのシステム構成を決めたと発表した。汎用プロセッサを並列接続するスカラー方式と、専用プロセッサによるベクター方式の複合システムとし、理研と富士通、NEC、日立製作所の共同開発で2012年の完成を目指す。
次世代スーパーコンピュータの開発は、文部科学省が2006年度にスタートした国家プロジェクト。スーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」で使われている「Linpack」ベンチマークで10PFLOPSの性能を目指し、世界最速の奪還に挑戦する。これは「地球シミュレータ」(35.9TFLOPS)の250倍に当たり、10P=1京にちなんで「京速計算機」とも呼ばれる。
スカラー部とベクター部で構成する複合システムとし、用途に応じたアプリケーションを効率良く実行できるようにする。同時使用すれば、将来の主流になる複雑系のシミュレーションなどにも対応可能になる。
スカラー部は汎用のマルチコアプロセッサをベースとし、「スーパーコンピュータ向けに世界最高レベルの高性能化と省電力化を実現するプロセッサを採用する」という。ベクター部には、省電力化と演算性能を両立する専用プロセッサを搭載する。
半導体は45ナノメートルプロセスを採用し、光でデータを伝送する光インターコネクトを採用するなどし、省電力化と省スペース化を実現するという。
立地は神戸市の人工島・ポートアイランドに決定している。今後、2009年度の製造開始に向け詳細設計を本格化させる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR