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Penryn以降のIntelのロードマップに注目

» 2007年11月13日 14時47分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米Intelの新しいプロセッサファミリー「Penryn」が発表されたいま、次に問うべきは「次は何か?」という質問だ。

 IntelはこれまでPenrynプロセッサファミリーと45ナノメートル(nm)製造プロセスへの移行を熱心に宣伝してきたが、業界アナリストらによると、2008年には、新しいマイクロアーキテクチャや携帯性の向上などを特徴とする、さらに強力な技術が投入される見通しだ。

 アナリストによると、65nmから45nmへの製造プロセスの移行は確かにIntelにとってはプラスとなるが(45nm製造プロセスによって1枚のウエハーから製造できるプロセッサの数が増えるため、生産効率や生産量を向上できる)、一般のユーザーや企業顧客はこの先1年間のIntelのロードマップに注目しておくべきだという。最近のPC市場では、携帯性が最も重要な要素となりつつあるが、Intelが発表を予定している新製品も携帯性に重点を置いたものが大半となる見通しだ。

 米調査会社Endpoint Technologies Associatesのロジャー・ケイ社長は、Intelの新しい製造プロセスについて次のように語っている。「製造プロセスの微細化に、それほど興奮する人はいない。いくらか性能面での向上があるとはいえ、45nmプロセスへの移行で本当に得をするのはIntelだ。同じウエハーからより多くのプロセッサを製造できるからだ。確かに、ユーザーにはPenrynで幾つか新しい特徴が提供され、プロセスの微細化に伴って消費電力も抑えられるが、本当の意味でのメリットは、ほとんどがIntelにとってのものばかりだ」

 またIntelのポール・オッテリーニCEOは次のように語っている。「最近では持ち運べる技術を要求するユーザーが増えているため、ノートPCを介してであれ、超軽量インターネット端末を介してであれ、携帯性は当社の将来にとって重要な要素となるはずだ」。米調査会社のIDCによると、ノートPCの出荷台数は2009年までにデスクトップPCの出荷台数を上回り、ユーザーにとっては安定したモバイルプラットフォームが必要不可欠になるという。

 Intelは2008年には、サーバ、デスクトップ、ワークステーション向けにさらにPenrynプロセッサをリリースしたのち、新しいモバイルプラットフォーム「Montevina」を投入する計画だ。Montevinaは45nm製造プロセスを使用し、Wi-FiとWiMAXの両方の機能を搭載した「Eco Peak」と呼ばれる新技術を採用する。これにより、Intelの新しい25ワットプロセッサを搭載するノートPCが登場すれば、バッテリー持続時間が向上し、発熱も大幅に抑えられるようになるはずだ。

 さらにIntelはMID(モバイルインターネット端末)向けの新プロセッサ「Silverthorne」の投入も予定している。Silverthorneは低電圧プロセッサでもあり、Montevinaプラットフォームのプロセッサと同じ消費電力当たりのパフォーマンス(PPW:Performance Per Watt)を実現する見通しだ。

 米調査会社Cahners In-Stat Groupのアナリスト、ジム・マクレガー氏によると、これらの新製品よりもさらに重要な技術となるのがモバイルプラットフォームの「Moorestown」だという。MoorestownはSOC(System On Chip)技術を採用し、CPU、グラフィックス、ビデオ、メモリコントローラを1枚の45nmプロセッサに搭載することになる。IntelはMoorestownプラットフォームの消費電力が同社の従来のモバイルプラットフォームと比べて10分の1になると約束している。

 「Intelが熱設計電力(TDP)を25ワットにするという事実は重要だが、実際のところ、性能にはほとんど差がない。SilverthorneはIntelにとっては途中の段階にすぎない。本当に違いが出てくるのは、Moorestownとともに新しいマイクロアーキテクチャNehalemが提供され、SOC技術をある程度活用できるようになったときだ。それが本当の意味で大きなマイルストーンとなるだろう」とマクレガー氏。

 NehalemはIntelが2008年中に発表する予定のアーキテクチャだ。Nehalemでは、プロセッサに1〜8個のコアを搭載し、最大16スレッドを同時に実行できるため、マルチスレッドソフトウェアの実行に適している。またNehalemアーキテクチャには、QuickPath Interconnectと呼ばれる統合型メモリコントローラが組み込まれる。Intelの最大のライバルである米AMDは、既にOpteronプロセッサで統合型メモリコントローラを実装している。

 統合型メモリコントローラはプロセッサが利用できるメモリ帯域幅を増大させ、レイテンシーを短縮できるため、サーバの性能が強化され、アプリケーションははるかに高速かつ効率的に動作できるようになるはずだ。

 「統合型メモリコントローラを実装することで、IntelはAMDとの差を解消したと言えるようになるだろう」とアナリストのケイ氏は指摘している。

 また同氏によると、プロセッサは全体として、Nehalemアーキテクチャによって同じ熱設計枠でより高い性能を提供できるようになるため、結果的には、ハイエンドサーバから消費者向けノートPCに至る広範なハードウェアを動作させるための電力費も引き下げられるはずという。Nehalemの詳細については、2008年を通じてさらに明らかになっていくだろう。

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