A: 生々しいのはダメ。BLはファンタジーだから。
B: リアルは絶対やだ。
D: 最近は実写もあるらしいですけど、私は見たいとは思わないで。
全員: 絶対無理ー。
D: でも、自分がBLにハマってることもあって、ゲイの人たちに偏見とかは全然ないんですよね。
E: 逆にゲイの人だと自分に関係がないじゃないですか。「勝手にやって」って思ってる。偏見があるんじゃなくて、別世界だから。
――タレントやスポーツ選手などのいわゆる「生もの」についてはどうですか?
A: できる人もいるよね。
B: ジャニーズは著作権が厳しいから「J禁」(ジャニーズ事務所関係者閲覧禁止)って言葉がありますよ。水面下でやるしかないらしい。
A: 「生もの」は、好きな同人作家さんが描いたら好きになる、というのもあるのかもしれない。「生もの」で一番ウケたのは「小泉首相受け」の画像かな(笑)。お笑いコンビものとか多いよね。まあ、描いている人たちも無理矢理薦めないし、好きな人たちが集まっている領域かな。
B: 声優さん同士のカップリングモノもあるよね。
E: 今はありとあらゆるものがあるねえ。面白い。
――つかぬことをおうかがいしますが、腐女子の逆、つまり男性ヲタの百合(女性同士のカップリング)好きについてはどう思いますか?
D: 別にいいんじゃない?
C: その好みを、付き合ってる彼女にも押し付けるのはどうだろう、とは思うけど。
A: 彼女が百合好きになるかどうかはケースバイケースなんで、探りは自分で入れましょう、と(笑)。女の子でも「女の子」が好きな人もいますし。私は別に、嫌ということはありません。
――なるほど、みなさん理解があるんですね。
C: というか女性は「現実は現実」と客観的に見ていますよ。
――腐女子同士でも「受け」と「攻め」が逆であるだけでけんかする、と聞きました。なぜなんでしょう?
A: 「けんこじ・こじけん論争」のこと?
――何ですか? 詳しく教えてください。
A: 昔ですけど、「キャプテン翼」の日向小次郎(こじ)と若島津健(けん)とのカップリングで、受け攻めがどちらかということで大論争になったことがあるらしいです。私もリアル世代じゃないけど。腐女子の用語として、語順が前のほうが攻め、後が受けになります。だから「けんこじ」の場合は「けん」が攻めで「こじ」が受け、「こじけん」はその逆です。
B: お互いに相容れないと大変。
A: 今だとカップリングのパターンが一番多いのは「テニスの王子様」かな。
全員: あー。
D: 好きなキャラが出てきたら、無理矢理くっつけようとしちゃう。最近は他のカップリングだと深入りしないようにしてますけどね。
A: ひどいとけんかになってしまいますが、そうならないよう、お互いで線引きしてます。カップリングが別の人とはその話題はしないとか。でも、カップリングが同じだと分かって話し始めたら、途中で受け攻めが逆だったことに気づく、なんてこともあった(笑)。
D: 私は「このキャラだと相手はこのキャラ」というこだわりが強いので、自分と違う人と出会うきっかけがないから知り合いがいない。腐女子仲間を見つけるのは、同人誌のイベントやサークルなんかで感想を送ったり、あとはネット上だったりするので、自然とカップリングも同じ人が集まるんですよね。
――ここからは腐女子と男性ヲタとの違いを探ってみたいと思います。男性ヲタの場合は、好きなキャラクターを「俺の嫁」と称したりしますが、腐女子にはそれに類する言葉があるんでしょうか?
D: 俺の嫁? 初耳。何ですかそれ?
A: 腐女子、特にBLやってる人は特にだけど、キャラに対して「自分の男」とかいう勘違いしないよね? そういう人にお会いしたことはないなあ。
B: 割と自分を投影していないからかな。
A: 「世の中にこんな男はいない」って思ってるからじゃない?(笑) いたら逆に引くよね(爆)。
B: 私もれんれん(「金色のコルダ」月森蓮のこと)のことをこんなに好き好き言ってるのに、わりと遠巻きに見てる。リアルに好きだとしたら誰かな……。
A: (コルダの)土浦でしょ。
B: だめ、あれは嫉妬深いよ。
D: そうでもないでしょー。
B: いや、別の男と会ってたら絶対追及してくるよ。
A: たぶん一番付き合いやすいのは(コルダの)火原っぽい人だと思うよ。
B: 火原先輩、超好き!
A: 一緒に恋愛を勉強していけそうだよね。
B: 火原は友達も大事にする男だから、こっちの友達も大事にしてくれそうだよね。
A: 火原先輩にはもれなく柚木先輩がついてくるけどね(笑)。いじめられちゃうよー。
――……こうやって妄想が広がっていくんですね。
A: そういえば、乙女ゲー(女性主人公が男性キャラクターと恋愛するゲーム)をやっている人には、主婦も多いみたいです。「ときめきメモリアルGirl's Side」をやってる人が、「高校時代を思い出す」って。男性がエロゲをやる感覚とは全然違う。
D: 恋愛ドラマの延長みたいな感じなんでしょうね。
――そういう意味では、エロゲと腐女子向けゲームは求められているものが違うのですね。売れる腐女子向けゲームには、どんな要素が必要なのでしょうか?
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