―― ではちょっと視点を変えて、CanCam好きの女性はどう思いますか?
A: ヲタとカテゴライズが違いますね。
C: 1回買ったことがありますよ。
A: 好きか嫌いかというか、興味がない。
B: 似合わないので買わない(笑)。
D: 最近流行ってるものはどんなもんだろう?と思って読むことはあります。
C: イラストの資料として見てる(笑)。
A: 「目の敵にしてる」ということはないです。
D: かわいいとは思うよねー。
A: 今の話で思ったんですけど、男性ヲタと比べて女のヲタのほうが、服の値段をよく知ってると思いますよ。絵を描く時に男性だと資料集を買っちゃう。でも女性は結構雑誌読んだり、いろんなところに行って情報集めてますから、男性の服や靴の値段まで知ってますよ。
――腐女子という言葉そのものについては、どんな印象を持っていますか?
A: メジャーになったけど、メディアの誘導もあるよね。池袋の乙女ロードを歩いている腐女子がTVに映ってってることがあるけど、顔を出してインタビューに応えられる人たちはむしろ一般人寄りだと思います。私たちヲタは、インタビューを受けることを避けざるを得ないですからね。ああいう人はごく一部です。
――なるほど。
A: 市民権を得たからネタで使えるとはいえ、外では「ゲーマーです」と言うしかない。これが腐女子の現状なんではないですかね、多分。
D: 周りからどう思われてるかがむしろ知りたいです。
――「腐女子向け」といわれるものについては好意的にとらえていますか? 例えば「機動戦士ガンダム00」はちまたでは腐女子向けといわれていますが。
A: 視聴者のターゲットは女の子なんだろうな、ということは分かります。
D: 腐女子仲間の間で、「キャスティング的にはガンダムマイスターじゃなくてBLマイスターだよね」という話が出てました(笑)。
A: モビルスーツがいまいちだけど、監督と脚本がいいし、音楽もなかなか。キャストももちろんすごいので、今後どう転ぶかなあ。
D: 登場人物では、私の周りは「ロックオン」が人気ですよ。
B: あー、ツッコミどころ少ないもんね。
B: 「腐女子向け」で印象が悪かった例で言うと、アニメの「彩雲国物語」。腐女子を意識しすぎてウザかった。原作に忠実にすればいいのに、と思いましたよ。
――最近でキャストがよかったアニメは何かありますか。
A: 男ヲタからすれば、女性キャスト陣がよかったのは「舞−HiME」だと思う! でも実はこれ、人数は少ないけど男性キャストも豪華だったんです。周りの女の子で観てた人は多かったですよ。
――失礼な話ですが、座談会前は、腐女子の人々は妄想話をたくさんするものだと思っていました。ですが終えてみると、一部妄想の暴走はあるものの、むしろ現実的というか、腐女子というものを客観的にとらえているのだなあという印象を持ちました。
A: あー、たぶんジャンルが違う人が集まったから、けん制し合ってるのもあるんですよね。
――けん制?
A: 腐女子はみんなが濃いから、カップリングが同じ人が集まると妄想が止まらず、えんえんとその話をしあうんですね。でも、別のカップリングの人たちが集まると、自分たちと同じ特性があるとわかってますから、お互い気をつけて話すんです。
――なるほど。そうなんですか。では今度はカップリングを絞ってやってみましょう(笑)。
ぶっ続けでしゃべること2時間半、座談会はこうして幕を閉じた。「なかなかこうしてプライベートのことを話す機会がなかったので、いい機会だった」――そう話しながら、参加者5人は池袋の闇に消えていったのだった。
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