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ウィジェット広告でGoogleに挑むGigya

» 2008年01月15日 15時44分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 新興企業がウィジェットベース広告専用のネットワークを立ち上げた。ソーシャルネットワークサービス(SNS)に広告を配信する新たな方法だ。

 米Gigyaは1月14日、広告主がSNSユーザーに広告を配信するためのウィジェット配信ネットワークを立ち上げた。最初にGoogleとClearspringが起こした戦いに加わった格好だ。

 同社は「Gigya Widget Advertising & Distribution Network」で、Googleの「Gadget Ads」と同じ賭けに出、Clearspringが2007年に「Widget Ad Network」で作り上げたのと同じ盲信――SNSユーザーに双方向的な広告を配信するのは、製品やサービスの宣伝方法としてスマートで、押しつけがましくないやり方だという――を持っている。

 ウィジェット(Webサイト上のミニアプリケーション)内に広告を表示する手法は、SNSで無視されがちなバナー広告の代替選択肢だ。広告主は、ウィジェットを使って製品を宣伝すれば、もっと多くの人が広告を見て、利用してくれると信じている。

 Gigyaの販売・事業開発副社長ベン・パッシュマン氏は、Googleのウィジェットは自社のコンテンツネットワーク上で広告を配信するよう設計されており、Clearspringはウィジェットに広告を表示して、それがクリックされるのを期待しているが、Gigyaが配信するウィジェットはそれ自体が広告だと説明する。

 では、なぜGigyaはそのために広告ネットワークを丸ごと抱えているのだろうか? パッシュマン氏は、広告主がウィジェットを作成して製品やサービスを宣伝することは可能だが、それを管理し、キャンペーン中にターゲット層に確実にインストールされるようにする信頼できるオプションはないと指摘する。

 Gigyaのウィジェット広告ネットワークは、そうした問題を是正し、広告主がソーシャルメディア利用者に広告を配信するための信頼できるプラットフォームを提供することを目指している。

 パッシュマン氏は、Gigyaのサービスが魅力的なのは、ユーザーが積極的に広告ウィジェットを選び、自分のプロファイルページ、ブログ、デスクトップにインストールしたときにのみ広告主に課金するからだと説明している。その時点で、同社の広告ネットワークはほかの広告ネットワークと同様に機能し、Gigyaとコンテンツ提供者はクリックスルーからの収入を分け合う。

 JupiterResearchのアナリスト、バリー・パー氏は1月11日に、Gigyaのウィジェットネットワークは、多くの企業がウィジェットを構築しているのにそれをユーザーに届ける方法がないという業界の問題に対処していると語った。現在、ほとんどのユーザーはウィジェットを友人から入手している。

 だがパー氏は、今後のウィジェット広告の価値については幾ばくかの疑問があるとも述べた。

 「こうした広告がどの程度まで測定できるか、今後1年、広告付きウィジェットの配信に需要があるかはまだ分からないと思う」(同氏)

 またGigyaは「Wildfire」技術を使って、コンシューマーがウィジェットの機能をどのように使っているかをすべて追跡している。

 Wildfireは1カ月に20億件を超えるウィジェットインプレッションを追跡し、1日に400のウィジェットサイトから30万を超えるウィジェットを大手SNSやブログにインストールしている。

 AvenueA/Razorfish、Kimberly-Clark、Jive Records、360iなどは、Gigyaネットワークを通じて1日に数千のウィジェットをインストールする恩恵を享受している。このネットワークには現在、400社以上が参加している。

 パッシュマン氏は、GigyaはSocial Media Marketing Platformを通じてウィジェットの設計、開発、ホスティングを広告主に提供しているが、広告主が好きなようにウィジェットを構築し、カスタマイズしてGigyaに委託し、Gigyaがそれを配信、追跡する方を好んでいると語った。

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