ITmedia NEWS >

アナウンサーに合わせて自動的にニュース字幕 NTTコムが販売

» 2008年01月21日 19時39分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 アナウンサーが読み上げるタイミングに自動的に合わせて、字幕を表示する

 NTTコミュニケーションズは1月21日、テレビ局向けに、生放送のニュース番組に聴覚障害者向けの字幕を自動で付けられるシステムの販売を始めた。放送用原稿を字幕に自動変換し、アナウンサーが読み上げるタイミングに自動的に合わせて表示する。

 総務省は2017年度までに全番組に字幕を付ける目標を掲げているが、字幕テキストの準備には手間が掛かる。新システムは短時間で準備できる上、番組中は無人で運用できるため、地方局などの負担を減らせるとしている。

 新システムでは、放送用原稿を字幕用テキストに自動変換。放送中は音声認識ソフトを使い、アナウンサーの音声をテキストに変換して字幕用テキストと照合。アナウンサーが話すタイミングに合わせ、字幕を自動送出する仕組み。

 従来は字幕の制作と送出に時間と人手がかかっていたが、新システムは放送用原稿をシステムに取り込むだけで自動的に行えるのが特徴。従来方式では30分の番組に1時間以上の準備と数人の担当者が必要な場合もあるが、新システムなら放送用原稿を取り込むのにかかる10秒ほどで済むという。

 北海道放送やKTS鹿児島テレビ放送などの地方局と共同実験を行い、放送品質との評価を得たことから商用化する。現在は5分程度のストレートニュースに対応しているが、今後、対応可能時間をのばし、各局の夕方の情報・ニュース番組でも使えるようにする。

 価格はソフトウェア一式で315万円。初年度の売り上げ目標は1〜2億円で、20〜30局での販売を目指す。

関連キーワード

総務省 | 音声認識


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.