ITmedia NEWS > 科学・テクノロジー >

モバイルCPUに第3世代SPARC――IntelとSunが新CPU計画を披露へ

» 2008年01月30日 15時15分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米Intelは2月3日に開幕する2008 International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)で、ポータブルインターネットデバイス向け新プロセッサの詳細を明らかにするつもりだ。

 同社は年初以来、新しいプロセッサファミリーの具体的な情報をあまり公表していなかったが、ISSCCでは「モバイルインターネットデバイス向けに設計された」マイクロプロセッサについて説明する予定だ。

 Intelはプレゼンテーション資料で具体的な名前を出していないが、以前はモバイルインターネットデバイス(MID)向けに開発したプロセッサの名前を「Silverthorne」としていた。

 2008 International CESで、同社のポール・オッテリーニCEOは主にSilverthorneについて話し、LenovoやASUSなどのベンダー数社が、SilverthorneとIntelのMID用チップセットを搭載したMIDを開発すると発表した。

 年次ISSCCカンファレンスは、すべての主要プロセッサメーカーがシリコン技術やマイクロプロセッサ技術の最新の進歩について説明する場となっている。Intelに加え、IBM、AMDも幾つかのプレゼンテーションを行うとISSCCのWebサイトには記されている。

 それに加えてSun Microsystemsは、16個のコアを搭載し、32の命令スレッドに対応する、クロックスピード2.3GHzの第3世代SPARCプロセッサの詳細を明らかにする予定だ。このプロセッサは「高性能サーバを対象とし、シングルスレッド、マルチスレッドアプリケーションのいずれにも最適化されている」とISSCCのサイトに掲載されているプレゼンテーションの概要には書かれている。

 Sunはこの「第3世代16コア32スレッドCMT(チップマルチスレッド技術)SPARCプロセッサ」の名前を記していないが、同社の「Rock」プロセッサには16個のコアと同社のCMTを搭載すると話してきた。同社は現在、Rockをテストしているところだ。

 Intelのプレゼンテーション資料によると、SilverthorneとおぼしきプロセッサはIntelアーキテクチャをベースに、Penrynファミリーの製造で使われている45ナノメートル(nm)プロセスを使う。また512KバイトのL2キャッシュを搭載する。

 このプロセッサの消費電力は2ワット未満で、サイズは25ミリ平方と非常に小さい。Intelは以前、このプロセッサの消費電力は現行モデルの10分の1だと話していた。例えば、今月発表されたMacBook Air用にIntelが特別に開発したプロセッサは、約20ワットの電力を消費する。

 Intelは今年Silverthorneを発売する計画だが、これと似た第2のプロセッサ「Diamondville」も開発している。DiamondvilleはIntelの「Classmate PC」などの低価格ノートPC向けだ。

 IntelはほかにもISSCCでプレゼンテーションを行う予定だ。

 あるセッションでは、同時に8スレッドを処理できる新しいクアッドコアItaniumプロセッサ(コードネーム「Tukwila」)の詳細を説明する。プレゼンテーション資料によると、Tukwilaは65nmプロセスで製造され、30Mバイトキャッシュを搭載。ピークメモリ帯域は34Gバイト/秒で、IntelのQuickPath Interconnectシステムアーキテクチャを採用する。

 Intelは2007年のISSCCで、数T(テラ)FLOPSの演算能力を持ち、消費電力わずか62ワットの80コアプロセッサを実験的に開発したことを発表した。

関連キーワード

Intel | ISSCC | SPARC | CPU | Penryn | Sun Microsystems


Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.