米Adobe Systemsは2008年夏に、次期版Acrobatプラットフォームを「Adobe 9」の名前でリリースする見込みであり、その詳細な機能が明らかになり始めたと情報筋が伝えた。
Adobe Acrobatは、AdobeのPDFフォーマットのファイルを閲覧、作成、操作、管理するためのプラットフォーム。
情報筋によると、Macユーザー向けAdobe Acrobat 9は「Professional」バージョンのみとなり、Mac向けStandardバージョンは次期版で廃止になる。ただし、Windowsユーザー向けには引き続きStandardとProfessionalの両バージョンが提供される。
さらに、ユーザーはAcrobatを使って電子的に記入できるフォームを作成することもできる。これまでProfessionalバージョンにしかなかった機能だが、Acrobat 9ではStandardバージョンにも盛り込まれるという。
またAdobeは、建築、工学、CAD、CAM、CAE市場向けにスタンドアロン製品「Acrobat 3D」を販売してきた。
Acrobat 3Dでは、3DデザインをPDFファイルに埋め込むことができる。Acrobat 9では、Acrobat 3Dの技術をProfessionalバージョンに取り入れると情報筋は伝えている。
さらに、バージョン9にはデータコレクションのフォームルーティング機能が加わる。ユーザーはAcrobatでフォームを作成でき、Adobeはユーザーがデータをルーティングできるホスティング型サービスを提供するという。
同様のサービスはFormRouterという企業も提供しており、同社のサービスはオンラインフォーム展開のコストを抑え、時間を節約し、作業を簡略化すると主張している。Acrobat 8を使ったFormRouterのサービスでは、Adobe Readerを使って文書レビューに参加したり、デジタル署名したり、PDFフォームを記入、保存することが可能なフォームを設計できる。
Adobeはまた、リアルタイム文書マークアップのサポートを拡大している。Acrobat 9では、ユーザーは共有スペースの文書をリアルタイムでレビューし、マークアップできると情報筋は伝えている。これは基本的にはAdobe Connectの技術だ。ConnectはAdobeが2005年に買収したMacromediaの技術で、「Breeze」と呼ばれていた。
これらの新機能や変更は特に大きなものだが、それに加えて、ユーザーインタフェースの改変や、グラフィックスユーザー向けの機能拡張もあると情報筋は言う。
Acrobat 9は2006年11月にリリースされたAcrobat 8以来のメジャーリリース。
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