米Intelが、6月後半に登場予定の新しいノートPC向けプラットフォーム「Centrino 2」にSSD技術をバンドルすることを考えていると報じられている。
同社はまず、2008年第3四半期までにCentrino 2(コードネーム「Montevina」)に80GバイトのSATAインタフェースSSDを加え、その後160Gバイト版と250Gバイト版を加えると、Digitimesが5月23日に伝えた。
今年はノートPC差別化の手段としてSSDに目を向けるPCベンダーがますます増えている。AppleとLenovoは同じくらいの時期に、新しいノートPCにSSDを搭載すると発表した。SSDは、バッテリー駆動時間が延び、ノートPCが軽くなり可搬性が高まるなど、ユーザーに多くのメリットがある。
Intelの広報担当者は「うわさや憶測にはコメントしない」としてこの報道に関するコメントを避けた。
しかしIntelは以前からSSD技術への関心を示しており、またNAND型フラッシュメモリを製造するか、あるいは自社のPCプラットフォームに他社技術を取り込むことが可能だ。
Intelは12月に、「Z-P140 PATA(Parallel Advanced Technology Attachment)SSD」を発表した。これはモバイルインターネットデバイス(MID)向けの新しいプラットフォーム「Centrino Atom」に組み込まれる予定だ。Z-P140は初め、2Gバイト版と4Gバイト版が登場し、その後2008年末までに16Gバイトに容量が拡大される。
Endpoint Technologies Associatesのアナリスト、ロジャー・ケイ氏は、Intelは確かに、モバイルプラットフォームにSSDをバンドルして、新世代ノートPCにSSDオプションを加えたいベンダーにとって魅力的なパッケージを作り出せると語る。
おそらくIntelは、OEMパートナー、さらにはホワイトボックスPCベンダー向けの参照設計を作成し、同社のプロセッサ、チップセットとSSDを搭載したノートPCを構築するための仕様を提供するだろう。
SSDの採用には静音化や省電力化、発熱量の減少、ブート高速化など多くのメリットがあるが、NAND型メモリの価格が重要な要因となる。現時点では64GバイトSSDを搭載すると、ノートPCのコストが800〜1000ドル上乗せされる可能性があるが、ケイ氏はSSD価格は年間50%のペースで下がり続けると確信している。そうなればSSDの魅力は高まり、Intelには自社プラットフォームでのSSD採用を本格的に検討する理由ができる。
「人々のSSDに対する見方は、1000ドル上乗せして128Gバイト手に入るなら、メインシステムとして使うには十分だというものだ」とケイ氏。「64Gバイトだと、ほとんどの人には少々きつい。128Gバイトならいいが、それでも1000ドル(以上)する。だが2010年には500ドルで128Gバイトが手に入る。リーズナブルなプラットフォームに思えてくるだろう」
Intelが6月にCentrino 2を立ち上げる際には、すべての主要PCメーカーが同プラットフォームを採用したノートPCを提供する見込みだ。同プラットフォームはIntelの45nm(ナノメートル)プロセッサと、WiMAXとWi-Fi技術を1つのチップに統合した新技術「Eco Peak」を搭載する。
IntelはCentrino 2プラットフォームでデュアルコアプロセッサを提供し、その後2008年末にクアッドコアプロセッサに移行する。2009年には、「Calpella」のコードネームで呼ばれる新しいプラットフォームを投入する。
米AMDは6月初旬にノートPC向けの新プラットフォーム「Puma」をリリースする見込みだ。
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