コスプレという“国際文化”を世界に――ライブドアは6月12日、コスプレイヤーとファンが集まるコミュニティーサイト「Cure」の英語版を公開した。
Cureは約30万人が登録する国内最大のコスプレコミュニティー。2001年にオープンし、04年にライブドアが買収した。月間ページビューは5000万という。
ユーザーの約1割が海外に住む外国人で、その半数は中国・台湾からという。英語版を公開して外国人コスプレイヤーをさらに増やし、「国内外でナンバー1のコスプレコミュニティーを目指す」としている。
日本語サイトもリニューアルした。デザインを一新したほか、コスプレイヤーがアップロードできる画像の容量を50Mバイトから200Mバイトに増強、自社開発のWebアプリケーションフレームワーク「Sledge」で再構築し、コミケの開催などでアクセスが集中した際も、スムーズに利用できるようにした。
Cureにはどんなユーザーが集まっているのか、なぜ外国人ユーザーが増えたのか――3人いる運営担当者の1人で、自身も学生時代からコスプレを続けているという同社コンシューマメディアグループの西島聡一ディレクター(40)に聞いた。
Cureには、コスプレイヤーとそのファンという2種類のユーザーがいる。
コスプレイヤーは「スペシャルユーザー」として登録すると、「Cureナンバー」がもらえ、コスプレ写真や日記、スケジュールを公開したり、ファン登録してくれたユーザーにメールマガジンを配信できる。
30万会員のうち、スペシャルユーザーは約6万人。約10万人という日本のコスプレ人口の6割がCureを利用している計算だ。イベントの会場ではコスプレイヤー同士がCureナンバーを交換する光景もよく見られるという。
一般ユーザーは、スペシャルユーザーがアップロードした写真を閲覧できるほか、お気に入りのスペシャルユーザーをファン登録し、メールマガジンを受け取ったり応援メッセージを送ることができる。5000人以上からファン登録されているユーザーもいるという。
西島ディレクターもスペシャルユーザーとして登録しており、約300人のファンがいる。コスプレ経験は学生のころからで、現在のコスプレ頻度は月1〜2回。「BREACH」「戦国BASARA」のキャラがお気に入りだ。Cureを通じて海外のコスプレファンからメッセージを受け取ったこともあるという。
外国人ユーザーは2003年ころから徐々に増え始めた。動画共有サイトで日本アニメが簡単に見られるようになったことや、海外のコスプレイヤーを集めたイベントが日本で開かれるようになったことで、海外のコスプレイヤーが増え、Cureが口コミで広まったのでは――と西島ディレクターは見ている。海外ユーザーでは最も多い人で約600人にファン登録されているという。
ユーザー全体の9割が女性だ。「コスプレは女性の文化。コスプレ衣装の制作に関しては女性の方が得意だし、女性の方が好きなキャラクターになりきりたいという変身願望が強いようだ。男性は好きなキャラクターを見るのが好きだから、フィギュアなどを集める」と西島ディレクターは分析する。
年齢別では10〜20代が9割を占める。最近は衣装が安価になった影響もあってか、中学生など低年齢層のユーザーも増えてきた。人気のキャラは国内外で変わりはなく、「NARUTO」や「BREACH」「テニスの王子様」などだ。
英語版で、海外のユーザーをさらに増やす狙い。プレスリリースは英語版も用意した。
今後は中国語や韓国語版サイトも公開する計画だ。今秋からは有料サービスも始める。アップロードできる画像容量を増やしたり、コスプレイヤーが自分のコスプレ写真を有料で公開する――といったことが可能になる予定だ。
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