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プラズマで飛ぶ空飛ぶ円盤、米研究者が設計

» 2008年06月18日 07時00分 公開
[ITmedia]

 米フロリダ大学の助教授が、SF映画に登場するような「空飛ぶ円盤」を実現するかもしれない。

 同校のサブラタ・ロイ助教授はこのほど、丸くて回転する飛行機の設計に関して特許を出願したことを明らかにした。同氏はこの設計を「WEAV(wingless electromagnetic air vehicle)」と呼んでいる。

 同氏が提案するプロトタイプは6インチ(15センチ)足らずの大きさで、内蔵バッテリーで動く。理論上はもっと大きくすることも可能という。動力には磁気流体力学、つまり導電性流体を電流や磁界が通過する際に生じる力を利用する。このプロトタイプでは、機体表面に取り付けた電極で導電性流体を作り出し、周囲の空気を電離してプラズマにする。プラズマに電流を通すことで生じた力で、周りの空気を動かして揚力と推進力を生み出す。空気と機体の接触面を最大限にするために、空飛ぶ円盤のようなくぼみのある曲面的なデザインにしたという。プロペラやジェットエンジンのような可動部品がないため、信頼性は非常に高いはずだとロイ氏は述べている。

 このような飛行機の用途としては、監視やナビゲーションなどが考えられるという。ロイ氏は、米空軍と米航空宇宙局(NASA)がこの発明に関心を示しており、フロリダ大学は設計をライセンス供与することを考えているとしている。

 ただし、この設計を実現するには、重力下での飛行に必要な揚力を得ることや、軽くて強力な電源など、解決しなければならない課題があると同氏は話している。

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