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IBMのRoadrunner、「ペタ」到達で世界最速スーパーコンピュータに

» 2008年06月19日 08時14分 公開
[ITmedia]

 米IBMのスーパーコンピュータ「Roadrunner」が、6月18日に発表された最新のスーパーコンピュータTop500ランキングで首位を獲得した。

 RoadrunnerはIBMが米エネルギー省のロスアラモス国立研究所に納入したシステム。ソニーのプレイステーション 3用に開発された高性能プロセッサCellを搭載し、性能は1.026P(ペタ)FLOPSに達した。初めてペタの世界に足を踏み入れたシステムとなり、前回1位だったIBMのBlueGene/Lを追い抜いた(PFLOPSは1秒間に1000兆回の演算が可能)。

 BlueGene/Lは、2004年11月から前回(2007年11月)まで首位を守っていたが、今回2位に転落した。性能は478.2T(テラ)FLOPS。3位はIBMのBlue Gene/P(450.3TFLOPS)、4位は米Sun MicrosystemsのSunBlade x6420(326TFLOPS)、5位はCrayのCray XT4 “Jaguar”(205TFLOPS)。

2008年6月スーパーコンピュータTop10
順位 開発元 システム名 性能(TFLOPS) 納入先
1 IBM Roadrunner 1026 米国 ロスアラモス国立研究所
2 IBM BlueGene/L 478.2 米国 ローレンス・リバモア国立研究所
3 IBM BlueGene/P 450.3 米国 アルゴンヌ国立研究所
4 Sun SunBlade x6420 326 米国 テキサス大学
5 Cray Cray XT4 “Jaguar” 205 米国 オークリッジ国立研究所
6 IBM JUGENE BlueGene/P 180 ドイツ Forschungszentrum Juelich
7 SGI Encanto 133.2 米国 ニューメキシコ計算応用センター
8 Hewlett-Packard EKA 132.8 インド Computational Research Laboratories
9 IBM BlueGene/P 112.5 フランス IDRIS
10 SGI SGI Altix ICE 8200EX 106.1 フランス Total Exploration Production

 プロセッサ別では、Top500リスト入りしたシステムの中で、Intelプロセッサ搭載システムが最も多かった。全体に占める割合は75%と、前回の70.8%から増えている。またクアッドコアプロセッサ搭載システムは283台、デュアルコアプロセッサ搭載システムは203台に上った。

 ベンダー別ではIBM製システムが500台中42%を占め、Hewlett-Packard(HP)は36.6%だった。性能値ベースでのシェアもIBMが1位で、48%を占めた。以下HP(22.4%)、Dell(5.4%)、SGI(4.4%)、Cray(3.2%)と続く。

 国別では米国のシステムが500台中257台を占め、欧州は184台と前回の149台から増えた。アジアは58台から48台に減少した。アジアでは日本が22台(前回は20台)、中国が12台(同10台)、インドが6台(同9台)、台湾が3台(同11台)だった。

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