シャープの片山幹雄社長は9月1日、2012年度に健康・環境事業の売上高で1兆円超を目指す方針を明らかにした。空気清浄化に効果が高い独自の「プラズマクラスター」技術を採用した製品をLED照明などにも広げるほか、B2B比率も30%以上に拡大し、07年度実績の2500億円を4倍以上に拡大したい考えだ。
プラズマクラスター技術は、半導体技術から生まれた空気清浄化技術。空気中の水分子と酸素分子をプラズマ放電で電気的に分解し、水素イオン(プラス)と酸素イオン(マイナス)を同時に生成。両イオンの周囲に水分子がクラスター(ぶどうの房)状に寄り集まり、安定する。
同社はこれまで、発生したクラスターイオンが細菌やウイルスの表面のたんぱく質を分解し、その働きを抑制するという研究結果を、国内外の学術機関と共同で発表してきた。8月には英企業と共同で、高濃度プラズマクラスターイオンが鳥インフルエンザウイルスを分解・除去するという効果を検証した。
この日発表したのは、空気清浄機や洗濯乾燥機、冷蔵庫、業務用LED照明器具にプラズマクラスター技術を搭載した新製品。冷蔵庫では庫内の付着菌を抑制し、洗濯乾燥機では銀イオンと組み合わせ、かびが繁殖しがちな洗濯槽を清潔に保つという。LED照明では、照明機能と空気清浄機能を兼備することで付加価値を高めている。
過熱水蒸気で調理する「ヘルシオ」新製品も発表。世界的な健康意識の高まりを受け、今後はヘルシオの海外販売も強化する。
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