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不況下でもデジタル家電は販売増 価格下落が追い風

» 2009年04月09日 07時00分 公開
[ITmedia]

 BCNが4月8日に発表した3月のデジタル家電販売動向調査によると、薄型テレビ、レコーダー(DVDレコーダー、Blu-ray Discレコーダーなど)、PCの販売台数が前年同月を上回った。価格下落が台数押し上げに貢献しており、「不況はまだ個人消費を急激には冷やしていない」(同社の道越一郎アナリスト)と指摘している。

photo 薄型テレビ全体の販売台数・金額前年同月比と平均単価

 台数が最も伸びたのが薄型テレビ。前年同月比で34.9%増となり、金額も17.1%と2けた成長だった。平均単価は9万8000円まで下落し、6万円未満の製品が販売台数のうち33.2%を占めた。「年末商戦の買い控え分が、2、3月にシフトした」(道越アナリスト)ことや、大型モデルの低価格化が背景だ。

 ただ、依然として単価が低いことから「収益モデルとしては暗い。今までと同じ作り方をしているとメーカー側としてはきついだろう」(同)


photo 「レコーダーの販売台数・金額前年同月比と平均単価」

 レコーダーは薄型テレビの伸びに合わせて順調に伸び、販売台数は前年同月比で29.6%増、金額も27.9%増とそれぞれ2けた成長。平均単価は1月を底に下げ止まり、7万1400円まで上昇した。

 BDレコーダーの比率は台数が59.4%、金額が74.3%。BDの伸びは1、2月に台数・金額ともに一服していたが、3月は前月に比べて台数で3.8ポイント、金額で2.8ポイント微増している。


photo PC全体の販売台数・金額前年同月比と平均単価

 PCの販売台数は前年同月比19.0%増、金額は11.1%減。台数の伸び率は1月(前年同月比34.4%)から15.4ポイント縮小した。

 PC市場に占めるミニノートの比率は24.6%。「ミニノートの低価格がB5、A4ノートの価格下落にも影響」(BCNマーケティングの森英二主任)しており、「PC市場の今年の課題は、スペックを抑えた安価なミニPCと、ハイスペックなノートPCの売り分け」(道越アナリスト)としている。


photo 「デジカメ全体の販売台数・金額前年同月比と平均単価」

 デジタルカメラはコンパクト型不振の影響で、台数は前年同月比2%減、金額も11.6%減と台数・金額ともに前年を下回った。デジカメは1、2月に若干回復していたが、3月は後退。台数は前月に比べて3.9ポイント、金額は0.2ポイント減少した。

 一眼レフは回復の兆しを見せている。台数は前年同月比29.3%の2けた増、金額も5.9%増、前月比でも台数は16.3ポイント増、金額は10.9ポイント上昇した。

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