「怪しげな場所に俺を呼ぶな!」――「ネット界のネ申」こと田代まさしさんが、4月26日に開かれた「非モテSNS」の公式オフ会にゲストとして登場し、叫んだ。現場の“カオスっぷり”に驚いているようだ。
会場となった「新宿ロフトプラスワン」(新宿・歌舞伎町)には、150人の“非モテ”が集まっていた。2週間ぶりに家を出たという「自宅警備員」や35歳童貞の「魔法使い」、女装した男性などが楽しそうに話している。
非モテSNSの管理人で「非モテのネ申」こと永上裕之さん(通称・えがちゃん)はガチャピンのパジャマ姿だ(営業マンも“非モテの神”もこなす22歳 「非モテSNS」のえがちゃん参上)。
一体参加者はどんな人たちなのか、非モテたちを前に田代さんは何を話すか――ITmediaの新人記者が、“カオスな現場”を取材した。記念すべき初取材の行方はいかに……!?
非モテSNSは、モテない人が集まり、傷をなめ合うというSNS。公式オフ会は今回が3回目で、定員100人に対し、150人が集まる盛況ぶりだった。「マーシーがゲストで来るから、参加しました」と参加者の1人は話す。
オフ会の受け付けでは毎回、顔を見せたくない参加者が顔を隠すための紙袋が手渡される。「本当にかぶる人がいるのか」と記者は半信半疑だったが、会場を見渡すと10人ほどの“紙ブクラー”たちがいた。
目のあたりに穴を開けた紙袋をかぶり、本を読んでいる強者もいる。かぶり心地を聞いてみた。「視界は狭いです。歩く時に足元が見えない。それに加え、空気がこもってかなり熱いです」――かなりの荒行のようだ。
いよいよ乾杯の時間がやってきた。えがちゃんがステージに上がる。「リア充ー! 氏ねー!」という乾杯のかけ声で、盛り上がる。
会場はいくつかのゾーンに分かれていた。話をするのが苦手な人が集まる「話ベタゾーン」では、それぞれが漫画を読んだり、ゲームをしたりと、自分の世界を満喫している。隣の「モンハンゾーン」では、数人でテーブルを囲み、黙々とPSP用ソフト「モンスターハンターポータブル」をプレイしていた。テーブルの上には攻略本も。会話が盛り上がっている様子はなく、話し掛けづらい雰囲気だ。
仮面舞踏会のような蝶マスクを付けた集団もおり、トランプやUNOで楽しんでいた。「35歳童貞です」「自宅警備員やってます。今日は2週間ぶりに家を出ました」などと、自己紹介しあっている集団も発見した。
カオス過ぎるこの雰囲気に、記者は怖じ気づいてきた。モロッコやミクロネシアなど海外の僻地(へきち)を1人で旅するのが趣味の記者だが、これほど“ビビった”のは、ペルーを旅した時以来だ。
オフ会スタートから2時間ほど経った頃、ステージに田代さんが現れた。「こんにちは、草なぎ剛です」とあいさつし、会場をわかせる。会場を見回し「怪しげな場所に俺を呼ぶな!」と一喝すると、参加者から大きな拍手がわき起こった。
「モテる方法を田代さんに習いたいという人が集まっています」とえがちゃんが話すと、田代さんは「俺は人生を台無しにする達人だけどね」と答え、会場から大きな笑い声が起こった。
田代さんは、参加者からの恋愛相談に答えながら、自然に手をつなぐ方法や、おしゃれにキスをする方法など、モテるテクニックも伝授。「印象に残る出会いを作る」ことや、「相手を退屈させない」ことが、女性と接するときのポリシーだと話していた。
芸能界デビュー前には、博多人形を女性に差し出し、「この人形にあなたの名前を付けたいので、名前を教えてください」とナンパしていた――という秘話も明かした。
参加者から「なぜ違法行為をやってしまったのか」と質問されると、「ハートが弱かった。人間は依存しないと生きていけないから、俺はだめなものに依存してしまった」とまじめに語るシーンも。「自分は底辺にまで行ったけれど、とても友達を大事にしていたから、友達に助けられた。友達は大切」と参加者に呼び掛けた。
オフ会の締めは、田代さんを囲んでの乾杯だ。「リア充ー! 氏ねー!」という乾杯コールと笑い声が響き渡り、なごやか(?)な雰囲気の中で、オフ会は終了した。
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