DVDの2000倍の容量の「5次元」ディスクを実現する技術を、豪大学が開発している。
豪スウィンバーン大学の研究者は5月21日、ナノテクノロジーを使って大容量5次元ディスクを構築する方法を初めてデモした。
現行のディスクは3次元構造だが、同校の研究者は、ナノ粒子を使ってスペクトル(色)の次元と、偏光(polarisation)の次元を加えることができたという。これらの次元を加えることで、ディスクの物理的な大きさは変えずに、容量を増やすことが可能になるとミン・グー教授は言う。
色の次元を作り出すために、グー氏らは金ナノロッドをディスクの表面に付加した。ナノ粒子はその形に従って光に反応するため、ディスクの同じ場所にさまざまな異なる波長で情報を記録することができる。現行のDVDは1つの色の波長でのみ情報を記録している。
さらに、偏光を利用してもう1つ次元を追加した。ディスクに光波を当てたときに、光波の電界が金ナノロッドに合わせた方向を向くことから、さまざまな角度から異なる情報の層を記録できたという。これは360度の回転が可能で、例えば、0度の角度で情報を記録し、その上に90度の角度から情報の層を記録しても相互の干渉が起きないと、研究者らは説明している。
書き込み速度などまだ解決していない問題はあるが、研究者らは、5〜10年以内に商業利用できるようになると自信を持っている。彼らは既に、Samsungと契約を結んでいる。
この研究の成果は21日発行のNature誌に掲載されている。
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