大日本印刷(DNP)は6月29日、書籍などで親しまれているオリジナル書体「秀英体」の明朝4書体をモリサワにライセンス提供すると発表した。モリサワはフォントとして今年秋から販売する。
秀英体はDNPが明治時代から開発を続けているオリジナル書体。利用はDNPが手がける印刷物などに限定されており、「一太郎 文藝」(ジャストシステム)などへの提供があった程度。出版社やデザイナーなどからDTPで使いたいという声が多数寄せられていたという。
モリサワには過去、金属活字時代の仮名書体である「秀英3号かな」「秀英5号かな」をライセンス提供し、モリサワはフォントとして販売している。だが、漢字や仮名、記号などを含む総合書体として秀英体を一般向けに販売するのは今回が初めてとなる。
モリサワが第1弾として発売するのは、辞書や文庫本などの書籍で数多く使われている細明朝体。フォーマットはOpenType、文字セットはAdobe-Japan1-5準拠(2万317文字)。定額制ライセンス「MORISAWA PASSPORT」「MORISAWA PASSPORT ONE」で提供するほか、パッケージ販売も予定している。
第2弾として、本文や小見出し向きの「秀英中明朝」「秀英太明朝」、題字や見出しに向いた「秀英初号明朝」を2010年秋に発売する予定。DNPは秀英体の利用シーン拡大を図り、角ゴシック体と丸ゴシック体の開発にも取り組んでいく。
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