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IBM、低コストで変換効率の高い薄膜太陽電池を発表

» 2010年02月15日 15時23分 公開
[ITmedia]
ibm

 米IBMは2月11日、銅や亜鉛など入手しやすい素材と薄膜技術を使った太陽電池を開発し、9.6%というエネルギー変換効率を実現したと発表した。

 銅、スズ、亜鉛、硫黄、セレンから成るこの薄膜太陽電池は、同じ素材で作られた従来の電池よりもエネルギー変換効率が40%高いという。

 コストが高いシリコン素材製太陽電池に代わるものとして、これまで銅、インジウム、ガリウム、セレンあるいはテルル化カドミウムを使った薄膜太陽電池が開発されている。こうした電池のエネルギー変換効率は9〜11%と新開発の電池より高いが、レアメタルを含むためコストが高く、素材の供給も難しい。新電池であれば素材が豊富なため、量産が可能だ。

 IBMは、素材研究、ナノテクノロジー、チップ設計などに投資する過程で獲得した技術を、太陽エネルギー、DNAシークエンサー、浄水技術など多分野に応用している。同社は、太陽エネルギー関連製品を製造する計画はないが、メーカーとの提携には応じるとしている。

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