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20代女子チームがつかんだ「ゲーム初心者女子」のハート 300万人突破「恋してキャバ嬢」(1/2 ページ)

» 2010年07月23日 12時34分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 恋してキャバ嬢mixi版トップページ

 20代女性チームが企画・運用している携帯電話向けソーシャルゲームが、300万ユーザーを獲得する大ヒットになっている。売れっ子キャバクラ嬢を目指す「恋してキャバ嬢」だ。

 イケメンを接客して給料を稼いだり、デートを楽しんだり、アバターを着飾ったりして遊べるゲームで、ソーシャルゲームメーカーのKLabGames(クラブゲームズ)が、「mixi」「モバゲータウン」「GREE」で提供している。

 「わたしでもできるゲームを作ろう」――企画のリーダを務めた同社の菊池亜衣プロデューサー(26)は、これまで「ゲームを全くといっていいほどプレイしたことがなかった」という。そんな自分でもプレイしたいゲームに仕上げたことが、同世代のユーザーの心をつかんだようだ。

画像 企画・運用チームの7人は全員20代の女性。前列左から小林果奈さん、三田沙野香さん、菊池亜衣さん、後列左から田近優さん、林亜希子さん、佐々木紀子さん、原田恵さん

イケメンもオタクも登場 おしゃれも恋愛も成長も

 恋してキャバ嬢は、恋愛を楽しむ乙女ゲームであり、ナンバーワンキャバ嬢を目指す育成ゲームであり、おしゃれを楽しむアバターサービスでもある。

 プレイヤーは、自分のアバターを着飾って「店」に出勤。人気モデルや財閥の御曹司、IT社長などさまざまな経歴のイケメンに加え、「オタク」「太ったサラリーマン」「ヤンキー」「B系」(ヒップホップ系ストリートファッション)など、店を訪れるさまざまな客の相手をしながら、キャバ嬢としてのレベル「キャバランク」を上げていく。


画像 このダンディなイケメンは店長。ログインすると1日につき1回「出勤ボーナス」としてアイテムがもらえる
画像 アバターを確認したり着替えたりできるページ。「モバゲータウン」などアバターを使ったSNSに似たデザイン
画像 店は渋谷や新宿、六本木など。アバターアイテムにはそれぞれレベルがあり、レベルの高いアイテムを装着していれば出勤できる店の選択肢が増える

 オタクなど“非イケメン”も登場させたのは、「女性は嫌いなものを話題にする傾向がある」と考えたため。実際にプレイしてみると、イケメンばかりが登場する一般的な乙女ゲームよりリアルで身近な感覚で楽しめ、非イケメンのキャラクターにも愛着がわいてくる。

 客はランダムに来店するが、好みのイケメンの来店率を上げるための有料アイテムもある。渋谷の店舗には人気モデルが、六本木にはIT社長がよく訪れるなど店によって客層が異なり、客によってファッションの好みも異なるため、攻略したい店や客に合わせてアバターのコーディネートを工夫する必要もある。


画像画像画像 甘い言葉をささやいてくれるイケメンたち

画像画像画像 オタクや太ったおじさん、ヤンキーも

画像 イケメンの笑顔で満杯になった記者のアルバム。買い足すべきか……

 来店客の満足度は、ミニゲームの成績で決まる。タイミング良くボタンを押し、左右に動くハートマークを画面上のハートの枠に重ねるだけの簡単なゲームで、うまくいくたび客が喜んだり、甘い言葉をささやいてくれる。さまざまなイケメンに、「今日は俺の隣にずっといろよ……」「ぼく、○○ちゃんのこと気に入っちゃった」などささやかれ、記者(31歳独身♀)もちょっとときめいた。

 メッセージはキャラクターによって異なり、オタクなら「もしかして僕のこと好きですか?」、ヤンキーなら「もっとこっち来いよ!」、B系なら「今日はアンタのラップを聴かせてくれよ」など。せりふの1つ1つがキャラクターにマッチしており、好みのタイプでない相手の接客でもニヤリとする。

 接客がうまくいけば「アフター」として、客がおしゃれなレストランなどに連れて行ってくれることも。アフターを積み重ねれば「デート」もできる。アフターやデートではイケメンがさまざまな表情を見せてくれ、その画像を「アルバム」に保存可能。画像は4枚まで無料で保存できるが、それ以上保存したい場合は有料でアルバムを買い足す必要がある。

 アバターを着飾るためのアイテムは、数十円〜数百円程度。接客で稼いだ給料(無料ポイント)で買えるものもある。おしゃれをして友人同士で見せ合ったり、かわいいコーディネートを紹介する「みんなのめちゃ盛りコーデ」コーナー掲載を目指したりなど、アバターのおしゃれだけでも楽しめる。

 昨年12月からmixiで、今年4月からはモバゲータウンで提供を始め、5月に150万会員を突破。6月29日からGREEでも利用できるようになった。mixiから利用している会員のうち、F1層(20歳から34歳までの女性)が73%。ゲーム初心者の利用も多いという。課金率やユーザーのアクティブ率は非公開としている。

「わたしでもできるものを作ろう」

 キャバ嬢ゲームを作ろうというアイデアは、同社の真田哲弥社長と、知人のおちまさとさんの対話から生まれた。「小悪魔ageha」などキャバ嬢を扱うファッション誌や、キャバ嬢を扱った携帯電話向けゲームアプリがヒットしており、mixiアプリでも受け入れられるのではないか――そんな発想だったという。

 「ユーザーと同じ視点を持っている」という期待を受け、立ち上げ時の企画・運用を任されたのは、菊池さんと、デザイナーの三田沙野香さん。2人とも親会社のKlabで、モバイルサイトの企画やクリエイティブ制作を行っており、「ゲームはほとんどやったことがなかった」という。

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