圧力を感知する人工皮膚を、米カリフォルニア大学バークリー校が開発した。触覚を持つロボットの実現に一歩近づいたといえる。
同校が開発した人工皮膚「e-skin」は7センチ四方の大きさで、0〜15キロパスカルの圧力を感知することができる。これはキーボードのタイピングやものを握るといった日常的な動作で使う力と同等だ。
触覚を持つ人工皮膚は、ロボット工学の重要な課題である「力を調整してさまざまなものをつかんで操作できるようにする」という問題を解決する役に立つ。例えば、ロボットが卵やグラスのようなものを、壊さないように優しく、かつ落とさないようにしっかり持つといったことが可能になる。
e-skinは、ゲルマニウムシリコンの微細なワイヤーを柔軟性のあるフィルム上に格子状に配置し、感圧センサーを配している。円筒形のドラムの外側にナノワイヤーを形成し、ドラムをフィルム上で転がして、フィルムにワイヤーを付着させるという手法を用いた。e-skinは5ボルト未満で動作し、2000回以上の曲げに耐えられるという。
バークリー校はさらに長期的な目標として、e-skinを使って人工装具を使っている患者に触覚を取り戻すことを目指している。それには、センサーを人間の神経系に統合する技術をもっと進化させる必要があるという。
この研究は9月12日にオンライン版「Nature Materials」に掲載された。
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