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Netscapeの父、ソーシャルな新ブラウザ「RockMelt」をβリリース

» 2010年11月09日 14時29分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米RockMeltは11月7日、よりソーシャル性の高いWeb閲覧体験の提供を目指した新ブラウザ「RockMelt」の初のβ版をリリースした。RockMeltは、Webブラウザの普及に貢献した先駆者の1人、マーク・アンドリーセン氏が支援する秘密主義の新興企業だ。

 RockMeltブラウザでのWebの閲覧方法は、MicrosoftのInternet Explorer(IE)やMozilla Firefox、Google Chrome、Apple Safari、Operaといった各種のブラウザと変わらない。

 ただしRockMeltでは、FacebookやTwitterの情報に1つのブラウザウィンドウ内からアクセスできる。

 この新ブラウザでは、Facebookの連絡先やTwitterのツイートなど、Webで閲覧する各種のコンテンツが文字通り1つの枠内に収められるのだ。

 ユーザーがFacebookのメールアドレスとパスワードを使ってRockMeltにログインすれば、ブラウザウインドウの左端にFacebookの友人一覧が表示される。これは、RockMeltブラウザがFacebook Platformと統合されていることによって実現する機能だ。

 一方、RockMeltのウインドウの右端には、Facebookのニュースフィードとプロフィール、Twitterのツイートストリームとタイムラインにアクセスするためのボタンが用意されている。

 また右端のバーにある「フィードを追加」ボタンを使えば、お気に入りのWebサイトのRSSフィードを追加して、さらにRockMeltをカスタマイズすることも可能だ。Google Readerを使うのにはもう飽きた? それなら、RockMeltを使えばいい。RockMeltでは、ソーシャルコンテンツと同じ画面から各フィードにアクセスできる。

 さらにRockMeltはプッシュ通知もサポートしており、新しいニュースが入ったり、友人が新しい写真を投稿したり、新しい動画が公開されたりすると、アラートが表示されるようになっている。

 なぜこうしたソーシャルなつながりをすべて1つのブラウザ画面内に表示する必要があるのだろう? それは、情報をより容易に共有するためだ。

 今日、人々はブラウザ内で複数のブラウザウインドウを開いていることが多い。1つはGoogle.comでの検索するため、もう1つはTwitterのツイートをチェックするため、さらにもう1つはFacebookで友人と連絡をとるため、といった具合だ。RockMeltでは、Facebookにステータスのアップデートを投稿したり、Twitterにつぶやいたりといったことを、わざわざ各サイトにアクセスせずとも実行できる。

 またRockMeltでは、GoogleからのURL、RSSフィードなど、Webを閲覧中に見つけた各種の情報をクリック1つでFacebookやTwitterに投稿でき、ブラウザタブの行き来は一切不要だ。

 さらにRockMeltブラウザには直接Facebookの友人が統合されているため、チャットウインドウをポップアップ表示させて、メッセージを送信するのも簡単だ。

 RockMeltは検索機能も素晴らしい。Google、Yahoo!、Bingなど各種検索エンジンの検索結果はどれも、クリック前にプレビューできるようになっている。

 RockMeltはChromeをサポートするオープンソースコードのChromiumで開発されており、「血統」は申し分ない。RockMeltは、同社の筆頭支援者であるアンドリーセン氏とともにOpswareで働いていたティム・ハウズ氏とエリック・ビシュリア氏が2008年11月に創業した会社。

 RockMeltに関するニュースは2009年8月から本格的に浮上し始めたが、同社は今回のβ版リリースまで秘密主義を貫いてきた。今回のβ版は限定リリースだ。

 RockMeltブラウザは、ChromeやFirefox、IEといったブラウザを相手に戦いを挑もうとしている。2007年には同様の目標をかかげ、ソーシャルブラウザの草分けとしてFlockブラウザがリリースされたが、同ブラウザの挑戦はうまくいかなかった。

 RockMeltのβ版はMac用とWindows用が用意されている。招待を受けたい人は、RockMeltのWebサイトから申し込みが可能。Webでは、同ブラウザのデモ動画も公開されている。

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