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「今こそやらなくては」 大相撲高田川部屋、Ust配信の舞台裏 ぶつかり稽古にちゃんこ鍋も(1/2 ページ)

» 2011年02月22日 07時00分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 稽古場の様子

 2月12日土曜日。大相撲高田川部屋はその日も朝から稽古が始まっていた。「せいやー」と力士たちがうなり声をあげ、ばちんっと大きな音を立ててぶつかり合う。「ぜーぜーはーはー」という息づかいも漏れる。その大迫力の光景を、全国の500人近くが見守っている──Ustreamライブで、ネット越しに。

 「す、すごい」「見入っちゃう!」「手に汗握る」――Twitterに感想が次々に書き込まれていく。稽古が終了すると、今度は力士たちがちゃんこ鍋を囲む様子が。ネットはさらに盛り上がり、「ちゃんこキター」「うまそうすぎて困る」――視聴者はあっという間に100人増えた。

 高田川部屋のUstream配信はこれが2回目だ。世間を騒がせている角界の八百長問題は、2回目の実施を公式サイトで告知した後に発覚した。Ustream配信を中止することも考えたが、「今だからこそやらなくては」と高田川部屋後援会の強い後押しがあったと、高田川親方(元関脇安芸乃島)は明かす。

白熱の稽古、Ustream配信の現場は

 高田川部屋は都内の地下鉄清澄白河駅から徒歩5分ほどの場所にある。近くに川が流れる静かな住宅街だ。Ustream配信当日に訪れると、稽古に励む力士たちの声が外まで聞こえていた。土俵のある稽古場には後援会メンバーなど10数人の見学者が。なかには熱心に写真を撮る外国人もいる。


画像 白いまわしをつけているのが高田川親方(右端)
画像 高田川部屋の特設サイト

 高田川部屋は力士30人の大所帯だ。朝稽古は午前4時半から6時間半ほどあり、土俵には番付が低い力士から順番に上がって容赦なくぶつかり合う。その度にばちんっと大きな音が響き、力士たちの肌が紅潮する。汗と土にまみれた肩や背中も、「せいやー」と気合いを入れる大きな声も印象的だ。

 鉄砲柱と呼ばれる太い丸太柱に向かって突っ張り稽古する力士や、すり足を繰り返し練習する力士もいる。高田川親方は白いまわしを付け、仁王立ちで見守る。「一撃で!」「立合いが弱すぎるぞ!」――親方の激が飛ぶと、稽古場の空気がピリっと引き締まる。力士たちは眉間にぐっと力を入れ、より真剣な表情になる。

Ustream配信した稽古の映像

 そんな様子を午前9時から3台のカメラでとらえ、Ustream配信する。全体を見渡す映像から、ローアングル、力士のアップと、テンポよく切り替わる。「カメラワークがいい」などと感想がTwitterで書き込まれ、同時視聴者数は最大480人に。「海外から見ている」というつぶやきもあった。

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