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HDDの障害装いユーザー脅す――偽ウイルス対策ソフトが手口を切り替え

» 2011年05月17日 15時20分 公開
[ITmedia]

 偽の感染警告でユーザーを脅す偽ウイルス対策ソフトの次の手口として、HDDに重大な障害が起きたと思わせ、復旧ソフトの購入を迫る偽HDDスキャナやデフラグツールが出現している。米Symantecがブログで伝えた。

 同社によると、偽ウイルス対策ソフト「FakeAV」の作者らが、HDDの障害を恐れるユーザーの弱みに付け込んで、2010年末ごろから手口を切り替えた。特に偽のディスククリーンアップツールの「Fakefrag」というトロイの木馬は、感染するとデスクトップ上のファイルやアイコンがすべて消滅したかのように見せかけて、「HDDに問題が検出されました」というメッセージを画面に表示。「Windows Recovery」という偽の診断ツールの実行を促す。

診断ツールに見せかけたWindows Recovery(Symantecより)

 このツールを実行すると、スキャン結果を装った画面上で「HDDに重大なエラーがある」と称し、修復のために79.50ドルの有料版を購入するよう迫る。ユーザーがこれを無視すると警告メッセージがしつこく表示されるようになり、システムが再起動されてしまう。再起動後はデスクトップが切り替わってWindows Recoveryの画面を閉じることができなくなり、コンピュータが使えない状態になってしまう。

 Fakefragに感染する経路はさまざまだが、インターネットを閲覧しているうちに知らずに感染してしまう可能性が高いという。手口が極めて巧妙なため、被害者は79.50ドルでファイルが復旧できるのなら安いと考えてしまいかねないが、正規のウイルス対策ソフトを実行してFakefragを駆除すれば、消えたように見えたファイルはすべてHDDに残っているのが見つかるという。

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