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不正証明書発行の認証局、セキュリティ対策の実態は? オランダ政府が中間報告書

» 2011年09月07日 16時29分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

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 サイバー攻撃を受けて不正なSSL証明書を発行していた認証局のDigiNotarに対し、オランダ政府が実施した監査の中間報告書がまとまった。

 報告書は監査責任者を務めるセキュリティ企業のFox-ITの最高経営責任者(CEO)がまとめたもので、オランダ政府が公表した。米セキュリティ機関のSANS Internet Storm Centeが9月6日にWebサイトで概略を紹介した。

 それによると、監査の結果、DigiNotarが運営している複数の認証局のサーバが全てハッキングされ、管理者権限でアクセスされていたことが判明。中にはログ記録が一部抹消されていた認証局もあり、どのような証明書が発行されたかをDigiNotarが把握できない原因になっていた。

 「google.com」用の不正証明書は、8月4日からこの証明書が失効する29日までの間に、30万のIPアドレスで利用されていたことが判明した。このうち99%以上がイランのIPアドレスだったという。この証明書を使ってGmailへのアクセスを乗っ取られたユーザーは、認証用cookieやメールの中身を盗み見された恐れがあるとしている。

 DigiNotarのセキュリティ対策に不備があった点も列挙された。基本的なベストプラクティスが機能していなかったり、実装に不備があったり、省略されたりしていたという。2009年に改ざんされたWebページが8月下旬の時点で残っていた問題については、同社が8月にWebサーバを再インストールした際にコピーされた可能性が大きいとしている。

 英語版の報告書は、SANSのWebサイトに掲載されたリンクから入手できる。

編注:リンク先はPDFファイルです。

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