「Windows 8」では起動時間を高速化する新方式が導入される。米Microsoftの開発者向けブログ「Building Windows 8」によると、コールドスタートとハイバネーション(休止状態)の中間のような起動方法を取り入れることで、Windows 7をコールドスタートさせるのと比べ30〜70%高速化しているという。
Windows PCを停止させる場合、スリープ(データをメモリに格納)かハイバネーション(データをHDDに格納)、あるいはシャットダウンすることになる。調査によると、Windows 7ユーザーの半数がシャットダウンを選んでおり、4割以上が利用しているスリープに比べてもハイバネーションは少数派という。
ユーザーはPCの電源を完全にオフにすることを望んでいるが、シャットダウン時と同様に電源をオフにできるハイバネーションはあまり使われてない。ユーザーはOSを新たに起動することでフレッシュな状態にしたいからだ、と同社は分析している。
そこでWindows 8では、(1)電源をオフにできる、(2)起動後にフレッシュな状態(セッション)にできる、(3)電源ボタンを押した後、すぐにPCを利用できる──という条件を満足する起動プロセスの改善に取り組んでいるという。
新方式では、停止時にユーザーセッションはクローズするが、OSのカーネルセッションはハイバーネーションしてHDDに格納しておく。ユーザーセッションで多数のアプリケーションが利用されている状態に比べるとハイバネーションで格納するデータは小さくて済むという。カーネルセッションをハイバネーションしておくことで、システムをフルに初期化するコールドスタートに比べ、次回起動時に高速なブートが可能になるという。
同社で新方式をWindows 7のコールドスタートと比べたところ、PCによって30〜70%高速化したという。7で70秒以上かかっていたPCが20秒で起動できるようになったというデータもある。
従来のように完全にシャットダウンする方式も選択できるという。
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