米EMCでGreenplum担当シニアバイスプレジデントを務めるスコット・ヤラ氏が来日。2月22日に報道陣に対し会見を行った(ヤラ氏はEMCが買収したGreenplumの共同創設者でもある)。
2年ほど前、EMCから買収提案を受けた時のことを、「本能的に“ノー”と言おうかと思った」とヤラ氏は振り返る。だがジョー・トゥッチ(EMCの会長兼CEO)やパット・ゲルシンガー(同 情報インフラストラクチャ製品部門プレジデント兼COO)らから「EMCはビッグデータの市場が拡大することを確信している。EMCのリソースを使って、Greenplumをより大きなものにしないか」と口説き抜かれ、(買収に)同意したのだという。
このことは、やはり買収によってEMCにジョインした米VMwareと似ている面があると、ヤラ氏は話す。
EMCがVMwareを買収したのは2003年のこと。当時、デスクトップの仮想化というソリューションは、現在のビッグデータと同様に、立ち上がる過程だった。企業規模も同程度であった。「VMwareが仮想化の分野で成し遂げた成長を、Greenplumはビッグデータで果たす」(ヤラ氏)
大量に生成される情報から意味のある価値を導き出す――これがビッグデータの基本的な考え方だ。「おそらく人類史上初めて、人間よりもマシンが情報を持つこととなった」と指摘するヤラ氏は、「ビジネスサイドのスタッフが、科学的なアプローチで情報を分析し、活用し、アイデアを出せるよううサポートする人材――いわゆるデータサイエンティストが、組織において重要になる」と話す。
既にGreenplumでは、データサイエンティストの育成に力を入れており、スタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校のプログラムと協力したり、データサイエンス関連のコミュニティに投資したりしているという。Greenplum自身も、データサイエンスの専門知識を有する博士号取得者グループを社内に組織しているとのことだ。「向こう20年にわたり、世界で数百万人ものデータサイエンティストが生まれるだろう」(ヤラ氏)
EMCジャパンも同日、ビッグデータを分析するプロフェッショナルを育成するためトレーニングプログラム「Data Science & Big Data Analytics(データサイエンス&ビッグデータ分析)」を国内で発表した。
本プログラムは特定ベンダーのソリューションに依存しないオープンなものとして実施される。企業活動が日々生み出すデータから価値を引き出し、ビジネスに応用するためのデータサイエンティスト育成を目的とするという。受講料は税別30万円で、2012年4月から講義を開始する計画だ。
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