私が情熱を持っていた技術企業Googleは、今や管理された広告会社になってしまった――。米Googleを退社し、米Microsoftに転職したジェームズ・ウィテイカー氏が3月13日(現地時間)、MicrosoftのMSDNブログでGoogleを辞めた理由を説明している。
同氏は、2009年6月にMicrosoftからGoogleに転職し、ソフトウェアの開発などに従事していた。2月4日の退社時点の役職は、Google+のAPIなどを担当するエンジニアリングディレクターだった。同氏は2月4日に自身のGoogle+に「残念ながらGoogleは世界を変えるための場所ではなかった」という投稿を残し、13日以降更新していない。
1300語に上るMSDNブログの投稿で同氏は、入社時はエリック・シュミットCEOの下、Googleは技術者にイノベーションの権限を持たせてくれる社風だったが、ラリー・ペイジ氏がCEOになり、米Facebookに対抗しようとしはじめたところからおかしくなったと語る。“ソーシャル”が至上になり、「検索も、Androidも、YouTubeも、すべてがソーシャルでなければならなくなった」という。
それまでもGoogleは広告で成り立つ企業ではあったが、シュミットCEO時代は技術者にとっては広告はバックグラウンドにあるもので、Googleは“イノベーション生産工場”のようだったという。だが、ページ氏は革新の象徴だったGoogle Labsや多数のサービスを終了させた。
GoogleはWebでの“共有(シェア)”が破たんしており、それをGoogle+が修復すると主張するが、「共有は破たんしてなどいない。Googleがその一端を担えていないだけだ」と批判する。同氏は数カ月にわたってGoogle+のために尽力したが、その結果は競合するFacebookの機能向上に貢献しただけで、世界は変わらなかったという。
ウィテイカー氏は、Googleは正しいのかもしれないとしながら、Googleへの「−1」でこの投稿を締めくくっている。
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