ハッカー集団「Anonymous」が6月25日、日本政府と日本レコード協会に対し“宣戦布告”ともとれる宣言をサイト上に公開した。違法ダウンロードに対し刑事罰を盛り込む改正著作権法の成立に抗議する内容で、“公式”Twitterアカウントが「始まりだ」とツイートした財務省管轄サイトは現在、ダウンしてアクセスできない。
Anonymousの宣言「#opJapan - Expect US」では、「コンテンツ産業や政治家、政府が海賊版や著作権侵害と戦うために厳格な法律を導入するという誤ったアプローチを導入しており、基本的人権の侵害やイノベーションの阻害につながっている」と主張。「歴史的に最も偉大なイノベーションの故郷である日本」が違法ダウンロードに刑事罰を導入する改正著作権法を成立させたことについて、「多数の無実の市民が不当な懲役刑を受け、かつ著作権侵害問題の解決にはほとんどつながらないことを確信している」と批判している。
また日本レコード協会や日本音楽著作権協会(JASRAC)などがISPに対し導入を求めている「違法音楽ファイルを特定するモジュール」について、「自由な社会において永続すべきプライバシーを侵害する監視技術だ」として、日本政府と日本レコード協会に対し、「われわれの基本的人権とプライバシーが侵害されるのと同じやり方」で何らかの行動を起こすことを示唆している。
Twitterアカウント「OpJapan Official」ではいくつかのツイートが投稿されており、「始まったばかりだ」とツイートされた財務省管轄の「国有財産情報公開システム」サイトは現在ダウンしている。
財務省の広報担当者は26日、取材に対し「現在、事実確認や対応を含めて確認中のため、現時点でのコメントは差し控えさせていただく」と述べた。
Anonymous発祥の地ともされる米国の匿名掲示板サイト「4chan」に掲載された、クラックしたサイトのスクリーンショットらしき画像によると、Anonymousはインド政府サイトや同国のISPにサイバー攻撃を仕掛けた「#OpIndia」と同様、「#OpJapan」(オペレーションジャパン)として日本政府に対し大規模な攻撃を行うと予言している。
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