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「Yahoo!ニュース 個人」スタート 個人の書き手が記事を直接掲載、収益シェアも

» 2012年09月26日 12時18分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 「Yahoo!ニュース 個人」トップページ

 ヤフーは9月26日、「Yahoo!ニュース」の新コーナーとして、ジャーナリストやブロガーなど個人が直接記事を入稿し、Yahoo!ニュース読者に届けられる「Yahoo!ニュース 個人」をオープンした。まずは政治、経済、ITなど各ジャンルの書き手約50人が参加。ページビュー(PV)に応じて広告収益をシェアするなど、「個人の活動を支援する場を作る」としている。

 Yahoo!ニュースに「個人」カテゴリを追加。「トピックス」「雑誌」などと並んで「個人」のタブを新設し、個人が寄稿した記事が読めるようにした。個人の記事は、Yahoo!トピックスに掲載したり、トピックスやニュース記事の関連記事としてリンクを貼るなどし、ニュース読者が読めるようにする。

 書き手は「オーサー」(Author)と呼ばれ、ユーザーページから記事を随時、入稿できる。オリジナルの記事を書けるほか、ブログに掲載した記事をコピーして掲載するといったことが可能だ。記事のページビュー(PV)に応じて、広告収益の一部が支払われる。

 オーサーは、Yahoo!トピックス編集部が中心となってピックアップ。当初は、前週刊朝日編集長・山口一臣さん、元NHKの解説委員で科学ジャーナリストの小出五郎さん、慶応義塾大学大学院教授の中村伊知哉さん、ジャーナリストの佐々木俊尚さん、ブロガーのイケダハヤトさんなど約50人が参加。順次増やしていき、3年後に1000人程度を目指す。

「個人の影響力が伸びている」 課金システム導入も

 「個人の影響力が伸びている」――同社メディアサービスカンパニーメディアユニットの片岡裕ユニットマネージャーは、サービス開始の背景をこう話す。ブログで情報発信し、TwitterやFacebookなどソーシャルメディアを通じて拡散する個人ブロガーやジャーナリストが増加。Yahoo!ニュースのようなニュースポータルに頼らなくても、個人がネットで情報を発信・拡散できるようになってきた。

 一方で読者ニーズも変わってきたという。ストレートニュースを読むだけではなく、より深い情報を得たり、そのニュースに対するほかの人の意見や反応を知りたいという読者が増加。「利用者の求める情報の価値が変化し、関心が多様化している」と、同社メディアサービスカンパニーメディアユニットの中瀬竜太郎さんは話す。

 Yahoo!ニュース トピックスでは従来から、ニュース関連情報として個人ブログなどを紹介してきた。だが、Yahoo!ニュースに外部ブログへのリンクを貼ると、Yahoo!の外にトラフィックが逃げてしまう。新サービスを通じ、個人の情報発信を支援するとともに、外部ブログにあるような情報もYahoo!ニュース内に集約。「Yahoo!ニュース内で回遊し、より広く深くニュースを知ってもらえるようにしたい」(中瀬さん)

 書き手にとってのメリットは、PV連動で報酬がもらえるという金銭面と、「Yahoo!ニュース」という、「圧倒的に人が集まっている表通りに出てきて主張したり、情報を届けられる」(中瀬さん)こと。「今でもブログやSNSを駆使すればある程度のところまではリーチできるが、ブログやSNSを使いこなしていない人にも情報を伝えられる」(中瀬さん)

 オピニオンを持つ個人向けサービスの第1弾としてスタートする。今後は、既存の記事に意見を加えて発信できるようなキュレーション機能や、議題を定めてディスカッションできる機能を立ち上げるなど、個人が発信できるプラットフォームを充実させる予定だ。来春には、記事に課金できるシステムも実装する計画だ。

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