米Facebookは1月15日(現地時間)、Facebook内の共有情報を検索する新機能「Graph Search(日本では「グラフ検索」)」を発表した。まずは英語版が一部のユーザー向けにβ公開された。数カ月をかけて提供言語・地域を拡大していく。
「グラフ」とは、“人やもののつながり”を表す用語で、Facebook(Open Graph)や米Google(Knowledge Graph)が使っている。
グラフ検索の特徴は、ユーザーの「いいね!」に基づいている点だ。米Googleや米MicrosoftのWeb検索サービスとの大きな違いは、Web検索はキーワードの組み合わせ(例えば「hip hop」)で検索し、それらのキーワードに最も関連性の高い検索結果を得るが、グラフ検索ではユーザーはフレーズ(例えば「Jay-Zが好きでニューヨーク在住の友達」)で検索し、そのフレーズに該当するFacebook上の共有情報が検索結果として表示される(この例の場合は、住んでいる場所を「ニューヨーク」と公開し、「Jay-Z」に「いいね!」しているユーザーが表示される)。
現時点で検索できるのは、人、写真、場所、興味(音楽、書籍、Facebookページなど)。「近所に住んでいてテニスが好きな人」「友達の1999年以前の写真」「インド人がいいね!したインドレストラン」「自分がいいね!した映画と同じ映画にいいね!した人がいいね!した映画」などを検索できる。
グラフ検索の検索枠は、Facebookの各ページのトップに表示されるツールバーにある虫眼鏡アイコン。このアイコンの右隣にフレーズを入力する。
検索結果にはタイトルを付けてページとして保存・編集でき、友達と共有できる。「映画監督がいいね!した映画」や「シェフがいいね!したサンフランシスコのレストラン」などの検索結果はコンテンツとして共有する価値がありそうだ(多数の映画監督やシェフがFacebookに登録し、さらに自分の好みを公開していればの話だが)。
Facebookは、グラフ検索のプライバシーについて説明するページを開設し、安全性を強調している。検索結果に表示される自分の情報は、自分で公開したものだけであり、従って人によって検索結果は異なる。例えば、友達限定で共有した「いいね!」については、友達が検索した結果にのみ反映される。
なお、これまでFacebookと検索で提携してきたMicrosoftは同日、グラフ検索結果にはBingの検索結果も表示されると公式ブログで説明した。例えば「Jay-Zのコンサート」とグラフ検索で検索すると、BingでのWeb検索の結果が表示される。
グラフ検索のエンジニアリングディレクターは、上の画像でマーク・ザッカーバーグCEOの上に表示されているラーズ・ラスムセン氏。同氏はGoogle Maps開発者の1人で、Google Waveチームの責任者でもあったが、2010年にザッカーバーグCEOからの誘いを受けてFacebook入りした。
Facebookがこの発表イベントを予告した際、モバイル関連の発表ではないかという期待が高まって同社の株価は急騰したが、グラフ検索はモバイルに関係なく、また、イベントではこの新機能がどのように収益につながるかの具体的な説明がなかったため、発表後株価は急落した。
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