SNS「mixi」で、2012年9〜12月期のスマートフォン向けの広告売上高が初めてフィーチャーフォン向けを逆転した。決算説明資料の月間アクティブユーザー(MAU)推移表で、スマートフォンユーザーを中心に表示し、フィーチャーフォンユーザーは除外するなど「スマホファースト」を明確に。今後もスマホ中心に、「ユーザーファースト」で改善を進めていく。
ただ、スマホからのMAUも昨年末ごろから減少に転じており、ユーザーのつなぎとめや新規ユーザー獲得は大きな課題だ。FacebookやTwitterと連携し、外部からの集客に成功した「mixi X'mas」や「ミクシィ年賀状」など独自コンテンツを活用したり、ユーザー回帰に向けたプロモーションを行い、ユーザー獲得を図っていく。
2012年4〜12月期の売上高は前年同期比4.1%増の99億2200万円、営業利益は69.0%増の23億4200万円、経常利益は91.6%増の23億4900万円、純利益は3.4倍の16億2100万円。前年同期と比べてゲームからの課金収入が伸びたほか、サーバコストの削減などで利益を拡大した。
スマートフォン向け広告も順調に伸びているが、フィーチャーフォン広告の減少分を補えていない。荻野泰弘取締役は「フィーチャーフォン広告売り上げは四半期ごとに2億円ずつ減り、12年10〜12月期は約2億円に落ち込んだ。減少スピードは今後ゆるやかになる」と話し、今四半期以降の広告売上高拡大を見込む。
スマホファーストを明確化するため、MAUの計測・発表方法を一新。従来は、全デバイス(PC、スマートフォン、フィーチャーフォン)について、1カ月に1回以上ログインしたユーザーの合計と、スマホユーザーの内訳を出していたが、今回からはフィーチャーフォンを除外。スマホユーザーをメインに置き、PCユーザーを参考値として表示する形に改めた。
「ユーザーの利用動向や広告の収益源もスマホの割合が増しており、将来を見据えるとスマートフォンが重要。スマホの数字を追っていきたい」――同社の笠原健治社長は、改めて「スマートフォンファースト」を掲げる。
昨年11月、スマートフォンにもSMS認証を導入し、不正利用者対策を行った影響で、MAUはがくんと減少。10月に1441万人(うちスマートフォンが885万人)だったMAUは11月には1312万人(同792万人)まで落ち込んだ。不正利用対策が終了した後もアクティブユーザーの減少傾向は続き、12月には1298万人(同789万人)となっている。
笠原社長は「不正利用対策を厳格に行い、安心・安全でより心地良く、ユーザーファーストなSNSを整備していく」とアピール。3月以降は、これまでOSによってバラバラだったユーザーインタフェースを統一するなど、スマホユーザーの使い勝手を高めていく計画だ。
離れていったユーザーの呼び戻しや、新規ユーザー獲得は大きな課題だが、その“解”の1つとして荻野取締役は、FacebookやTwitterからも利用できるようにし、外部からの集客に成功した「mixi X'mas」や「ミクシィ年賀状」をあげる。
「コンテンツ力で外部からの集客に成功するというのは、FacebokやTwitterにはない、mixiならではの動きでは。クリスマスや年賀状はその季節が終わるとサービスが終わり、ユーザーも離れてしまうが、終わった後のユーザーの受け皿を用意し、リテンションを高めていきたい」(荻野取締役)
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