インターネットが表現の場として成長し、クリエイターのデジタル化が進む中、デジタルクリエイターの支援は旧来の「文化」の枠を超えた新機軸が必要だという。
以前は大手企業や財閥グループが、若手クリエイターの留学支援といった形で文化振興事業に投資していたが、長引く不景気でこうした動きも少なくなっている。「動画を作ってプロモーションするということが重要になる中で、クリエイターの支援もデジタルな会社が頑張らないといけない。職につなげる……とまでは言わないが、何か自分の血肉になるものにつなげてくれれば」
「創作活動がもうからなくなっているが、だからといって仕方がないと手放すのではなく、地道にきっかけを温めながら、長期的に見て、いいものを作る人がいろんな人の目に触れ、食べていけるようになるのが理想的。クリエイターが物作りをして良かったと思える状況になっていける支援ができれば」
Tカードにとっては初のキャラクターカード。発行にかかる1枚525円の手数料は「もうけ度外視」だと、CCCエンタテインメント事業部の牧英之さんは話す。CD・DVDレンタルを中心にエンターテインメント事業を展開してきたCCC。映像や音楽のクリエイターをともにありたいという思いは強いという。
「初音ミクなどをきっかけに、みんなが作り、参加して楽しむという、マスメディアとは違う新たなムーブメントが生まれてきている。クリエイターやアーティストがTカードやTSUTAYAを通じてアウトプットできたり、よりクリエイティブなことができるという試みは、是非やっていきたい」(牧さん)
ミクカードはCCCにとって、初音ミククリエイターやファンとの「接点」だ。「ポイントで商品がもらえるのは“さわり”に過ぎない。もっとすごい流れにできるのではという思いがある。何をどうコミュニケーションするかはこれからの課題だ」(牧さん)
今後は、TSUTAYA店舗で楽曲を披露するインストアライブや、イラスト入りグッズを販売するいったアウトプットの場の提供、ワークショップの開催、クリエイター向けのポイント基金の創設などさまざまな可能性を検討していきたいという。「Tクリエイターやアーティストとより近い関係になるようなプラットフォームを考えたい」(牧さん)
Tカード参加企業とのコラボレーションも検討。この夏には、CCCとファミリーマート、クリプトンがコラボしたキャンペーンも行う予定だ。「まだまだ実験段階。クリエイターやファンの方々に、喜んだり便利だと思ってもらえるものを模索していきたい」(佐々木さん)
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