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ドコモ、iPhone販売は「まさにこれから」 MNP改善、取り扱いショップ全国に拡大へ

» 2013年10月25日 20時41分 公開
[ITmedia]

 NTTドコモの加藤薫社長は10月25日開いた決算説明会で、9月に参入したiPhone販売について、導入後にMNP(番号ポータビリティ)の流出入が前年同期比で改善するなど、一定の成果が出ているとの見方を示した。今月末からはiPhoneの取り扱いを全国のドコモショップに拡大し、「まさにこれからだと思っている」と、「dマーケット」やネットワーク品質などドコモの強みを押し出していく。

 発売当初は在庫不足もあり、取り扱い店は1050店でスタート。一時は苦戦も伝えられるなど「競争への対応が十分ではなかった面があった」が、「導入効果は確実に見えてきた」という。MNP実績は発売1週目に前年同期比で33%改善し、spモードメールなどiPhone向けサービスを拡充した3週目には54%改善し、足もとでも改善傾向は続いているという。

photophoto 決算説明会資料より
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 同社の調査では、他キャリアからの転入でドコモのiPhoneを契約したユーザーのうち、65%が前キャリアから「良くなった」と回答。うち76%が「通信エリア」を挙げ、料金面でも満足という回答も多かったという。「ドコモのiPhoneをドコモのネットワークで利用することで満足度が高まっており、とてもうれしい」(加藤社長)。「dマーケット」のサービスをiPhoneにも順次対応させるなど、ネットワークと独自サービスをアピールし、iPhone拡販につなげる考えだ。

 iPhoneの取り扱い店は現在は1500店弱だが、10月末までに全店舗に近い約2350店に拡大する。iPhone 5sと5cの具体的な販売比率は明らかにしなかったが、「5sのほうが人気があるのは事実」。特に「ゴールド」は4週間待ちとなるなど人気化しており、「待っているお客が多いのは事実。ご迷惑おかけしていることを改めておわびしたい」と述べた。

 当面の発売を見送ったiPad Air、iPad miniについては「魅力的なタブレットだと思っているので社内でも検討中」としたが、具体的な予定は明らかにしなかった。

iPhoneとAndroid強化で下期反転へ

 同社が10月25日発表した2013年4〜9月期の連結決算(米国会計基準)は、売上高に当たる営業収益が前年同期比0.4%減の2兆1989億円、営業利益が0.4%増の4731億円となるなど、減収増益だった。

 端末の総販売数は前年同期比11.5%減の1047万台で、うちスマートフォンは632万台(1.9%減)。他社への流出が続いた一方、「ツートップ」戦略で販促費を絞り込んだことがコスト削減につながるなど、通期の営業利益目標8400億円に向けて進ちょくは順調だとしている。

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 昨年のiPhone 5発売以降に上昇した解約率は7〜9月期で0.86%と高止まりしており、MNP転出超過も続く。下期は「iPhoneにプラスしてAndroidを強化し、料金施策とあいまってドコモの良さを十分にアピールできる本格的な時機が到来した」(加藤社長)と、MNP改善と新規獲得に力を入れる。

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