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» 2014年03月17日 10時20分 公開

「ヤバいぐらいの手応え」 300万DLの無料漫画アプリ「マンガボックス」樹林伸編集長に聞く、ビジネスの展望と「夢」 (3/4)

[岡田有花,ITmedia]

 アプリ内への広告配信に加え、連載漫画の電子書籍化や単行本化、アニメ化、ゲーム化などを収益源にしていく考え。雑誌は赤字でも単行本などで回収する漫画雑誌のビジネスと同じ考え方だ。

 「コストを回収できる可能性は、ソーシャルゲームを1本作るより高い」とみる。連載作品のどれか1つが大きく当たれば、単行本だけでなくゲーム化や映画化などマルチメディアに展開でき、大きな収益を見込めるためだ。ほかのコンテンツビジネスと比べると、漫画は制作期間が短く、単行本化による回収までのスパンも短いため、比較的短期間で黒字化できるとみる。

最初の収益源はやはり「紙」

 携帯端末向けの漫画では、1画面に1コマのみ表示したり、画面が揺れるエフェクトを加えるなど、紙の漫画表現ではできない表現を追求する例もあるが、マンガボックスは紙の漫画と同じコマ割りやフォーマットを踏襲。見開き表現を抑えたり、1話当たりのページ数を紙雑誌より減らすなど、スマートフォン画面で見やすいよう細かな調整は行っているが、基本的には紙と同じ漫画体験を大切にし、紙の単行本になっても違和感のないつくりを意識している。

 「最初にこの雑誌を黒字にしてくれるのは、紙だと思う」のが、紙のフォーマットを踏襲した一番の理由だ。マンガボックスを担当するDeNAの川崎渉さんは、「日本は紙が便利すぎるので、ユーザーは紙で読む行為に慣れている。媒体が電子に代わるだけでもユーザーにとってハードルなので、見せ方などほかの体験も新しい方に寄せてしまうと拒否感があるだろう」と、紙と同じ表現手法を採用した理由を説明する。

 「アプリで漫画を読む」という行為が一般化しつつある一方で、漫画は紙で読むのが最も楽しいと、樹林さんは信じている。「お金を払って読むならば、“手触り”を含めた紙でも楽しみ方はずっと残ると思うし、メインストリームであったほしいという願望もある」一方で、映画をテレビやビデオで観るビジネスが確立し、映画館ビジネスと共存しているように、「Webの漫画と紙の漫画は共存していく」と考えている。

 ガジェットの進化により、今後は紙以外でも快適に読めるようになるかもしれない。「Google Glassのような眼鏡型ガジェットで、めくろうと考えるだけでページがめくれるようになるかもしれない。ただ、そうなっても紙がなくなるとは思わない。30、40年後にも、紙で漫画を読んでいる人が目に浮かぶ。きっと、いるだろうと」

「アプリマーケットからの指摘で一部漫画を非公開」 紙と異なるレギュレーション

 マンガボックスは、Google、Appleのアプリマーケットを通してグローバルに提供しており、両社のレギュレーションに戸惑うこともある。2月には「アプリマーケットからの指摘を受けた」とし、一部漫画を一時的に非公開にした。

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