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「ヤバいぐらいの手応え」 300万DLの無料漫画アプリ「マンガボックス」樹林伸編集長に聞く、ビジネスの展望と「夢」(4/4 ページ)

» 2014年03月17日 10時20分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 紙の場合は漫画出版の長い歴史の中で、どういった表現手法が問題になり、どう回避するかなどのノウハウも貯まっているが、アプリの場合は、警察など公的な団体だけでなく、私企業が相手で「厳しくはなる」(樹林さん)と覚悟。「漫画をアプリで、グローバルで出す行為自体が初に近い」(川崎さん)ため、アプリマーケット側とやりとりしながら、NGラインを探っている。

「アプリで読まれる人気作=売れる作品」とは限らない

 最初の単行本は5月ごろから発売予定。まずは紙の売り上げで黒字化する計画だ。数年後には電子書籍販売が紙の売り上げに迫り、その後、ヒット作品のアニメ化、ゲーム化、グッズ化などでさらに利益をあげる青写真を描く。

 最も人気の作品で約100万の継続読者を獲得しているが、読者が多い作品=売れる作品とは限らないという。「読者数はテレビでいう視聴率に近いが、視聴率の高いものが映画化やビデオ化されて売れるかというと分からない。高い視聴率でビデオはまったくもうからないものがあれば、低いのにビデオがすごく売れるものもある」(樹林さん)

 「一番いいのは、雑誌でも人気があり、単行本も売れる『ONE PIECE』のような作品だが、人気でも単行本売れない作品、単行本は売れるが人気はそれほどでもない作品にも価値がある」

画像 樹林さんと川崎さん

 人気作はマンガボックスアプリの読者数アップに、単行本が売れる作品は売り上げアップに貢献してくれる。ページ数の上限を持たないマンガボックスは、さまざまな作品を吸収できる懐の深さを持っているのだ。

 この3月にも新連載作品が続々と登場するなど、コンテンツは今後ますます充実させていくという。「こんないい作品が載っちゃうんだ、というのが結構あります。マンガボックスがなければ載らなかっただろう作品が多いんです。それがいいですよ」

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