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将棋電王戦第2局、修正前の「やねうら王」勝利 コンピュータ側2連勝

» 2014年03月23日 16時02分 公開
[山崎春奈 ,ITmedia]

 「第3回将棋電王戦」(ドワンゴ・日本将棋連盟主催)第2局が3月22日に東京・両国国技館で行われ、将棋ソフト「やねうら王」が勝利した。全5局中コンピュータ側が2連勝となり、前回に続く団体戦の勝ち越しに王手をかけた。

photo 終局直後の佐藤紳哉六段。コンピュータ側はデンソーが開発したロボットが駒を指した

 15日に「バグ修正のため」として対局直前のソフトアップデートが発表されたものの、棋力が向上している可能性もあり「レギュレーション違反」として強い反発を受け、19日には運営側が特例を認めたことを全面的に謝罪し撤回。旧バージョンでの対局となった。

 対戦相手の佐藤紳哉六段は終局後、「相手が強いというより自分が弱いから負けた。プロなら勝たなきゃという流れをものにできなかった。たくさんの方に応援してもらったのに期待に応えられず残念」と話した。対局直前の2度に渡るソフト変更に関しては「1度まさかの変更があったので2度目は正直そこまで驚かなかった」と振り返った。

photo 「やねうら王」開発者の磯崎元洋さん

 やねうら王・開発者のやねうらおさんこと磯崎元洋さんは「まずは最後まで指せたことに満足。対局中にフリーズする悪夢を何度も見ていたので今日はぐっすり眠れそう。終盤まで互角の体制が続いており、熱戦だった。最後まで真正面から挑んでくれた佐藤六段に感謝したい」と安堵の表情を見せた。

 将棋連盟の片上大輔理事は「この数日間で盤外の出来事で負担をかけ、佐藤六段は平常心を保つのは難しかったと思う。最後まで分からない見応えのある対局だったが、こうなると最後に人間側が足りない部分がどうしても出てきてしまうのかな、というのがこの2局の感想。残りの3人には悔いのないように戦ってほしい」と話した。

 電王戦第3局は29日、大阪・あべのハルカスで開催。豊島将之七段が「YSS」と戦う。

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