調査委員会の調査については、「もう少し弁明の機会を与えていただければと願ったことはある」という。ただ「途中からだんだん、体調が思わしくない中での調査になってしまい、十分な答えもできなかった」とも。また、「一度出た判決が同じ方々によって覆るのは難しい」とし、不服申し立てを受けた再調査は別のメンバーで行ってほしいという意向を示した。
STAP細胞の研究については強い意欲を示し、「未熟なわたしに研究者としての今後があるなら、STAP細胞が誰かの役に立つ技術にまで発展させていくんだという思いを貫いて研究を続けていきたい」と涙ながらに述べた。
STAP細胞の作成には「200回以上成功している」という。Nature論文をベースに第三者が行った再現実験で成功例がないことについては、「今回の論文は現象論を記述したものであり、最適条件を証明したものではないという認識だった」ため。「最適条件を示す論文を準備しようと思っていたところ、このような騒動になった」という。
再現実験の成功は、「細かなコツをすべてクリアできれば」可能という。コツの具体的な内容については「次の研究にも大きく関わる」と明言を避けた。小保方さん以外で過去、追試に成功した人もいるとも話したが、具体的な個人名は明かさなかった。
STAP細胞作成の公開実験を行ってはどうかという意見に対しては、「どのような手法で可能かは分からないが、見たい人がいれば、是非、どこにでも行き、研究を少しでも前に進めてくださる方がいるなら協力したい」と前向きな姿勢だ。理研が行う再現実験については、「何の連絡ももらっていない」という。
また、理研が3月に発表したSTAP細胞再現の詳細なプロトコルは、共同研究者の丹羽仁史 理研CDBプロジェクトリーダーが代筆。そのころ小保方氏はNatureへの訂正原稿の用意に手を取られていたため執筆に参加できなかったとし、「これからでも、詳細なプロトコルのアップデートに参加したい」と話す。
実験時に混入したES細胞をSTAP細胞だと誤認したのでは――という疑義も一部で上がっているが、「STAP細胞を作製していたころ、研究室内ではES細胞の培養を一切行っておらずコンタミ(実験上の汚染)が起こりえない状況」だったと説明。「培養環境を変えない限り増殖能が非常に低い」などES細胞と異なる特徴もあるとし、ES細胞ではありえないと主張する。胎盤・胎児が蛍光を示した細胞の標本も、「まだ保存してある」という。
STAP細胞の存在について改めて問われると、「STAP細胞はあります」と笑顔で断言。それを証明するためには「STAP現象が各地で再現できるべき」だとし、そのために「たくさんのコツやレシピのようなものが存在しているので、新たな研究論文として発表できたらと思っている」。
科学に対する姿勢を改めて問われると、「自己流で走ってきてしまったので、ゼロからではなくマイナス100からだと思って、科学や研究に向き合って行くチャンスがあれば」と述べた。
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理研、STAP細胞作成実験の詳細を公開 「実用的な実験ノウハウとその解説」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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