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「先生すみません。自分が犯人でした」 カギになった「onigoroshijuzo2」詳報・遠隔操作事件・佐藤弁護士会見その1(2/2 ページ)

» 2014年05月20日 15時49分 公開
[ITmedia]
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 彼から聞いた話はたくさんある。何よりも今回の真犯人メールがどうして送信されたのかが疑問だろうと思う。

 彼は何度も言ったが、母親がいつも口ぐせのように言うそうだが、前のような平穏な生活がいつくるんだと言うと。裁判は順調に進んでいるという理解はしていたが、1日も早く裁判終わらせたいという気持ちになり、真犯人メールを送ったという。

 送信された16日の前日、15日の夕刻、荒川の河川敷に、スマホをつめて、予約送信機能だと思うが、公判の時間にメールが送られるようにして立ち去ったと。まさかそれが警察に掌握されていたとは思わなかった。そのために自ら犯人であることを名乗ることになったと。

 真犯人メールの文中、「onigoroshijuzo2」というアカウントにログインしたがメールボックス閉鎖されていた、とある。これは重要な情報だ。

該当箇所の原文

  • onigoroshijuzo2へのアクセス履歴について、

去年2月当時「片山を逮捕したらアクセスが止まった」発表がありましたが、警察のデマです。

正確には1/5未明にメールを送信してから1年以上、ずっとログインしていません。

なお、最近ログインしたらアカウントは生きてたものの、メールボックスは凍結されてました。

警察発表のデマを佐藤弁護士が糾弾しまくってますが、ここのところは言ってないのでフォローしておきます。

警察って本当にヒドイですねーーー


 パスワードは真犯人しか知らないから、それによって真犯人かどうか分かるはずだ(だから真犯人のメールでは「onigoroshijuzo2」の部分が極めて重要だと言ったら、彼もそうですねと応じていた)。彼がどうしようもないと思ったのはその部分だった。「onigoroshijuzo2」の部分を除けば、真犯人になりすまして送ったと言うことができる。だがそのパスワードを知っているは犯人しかいないし、それは自分だと。発表はされていないが、河川敷に埋めたスマホで「onigoroshijuzo2」にアクセスしており、それを警察が知ったということになると、ログインしたのは片山さんのスマホであり、真犯人メールだけでなく全部の事件について認めざるをえない──と私に説明をした。

 「無罪になるためにああいうメール送っただけ」ということも可能だが、全部について自分ですと認めた。「onigoroshijuzo2」が決め手だったと。そのアカウントから送信しようと思ったが、閉鎖されていたので、新しいアカウント作って、それで送信したという。

 (高尾山は)缶チューハイを飲みながらさまよっていたという。会った時も1缶持っていたが、頭が痛いと、酔っていたようだ。体調は良くないだろう。相当衰弱はしていると思う。ただ、話しぶりは全然変わらない。

佐藤弁護士は「意外なほど冷静でいられた」

 裏切られたというような、否定的な感情はわかなかった。片山さんは、今まで弁護人を裏切ってきたことになるので、弁護団を解任して国選弁護人も考えていると言ったが、私はあなたを捨てることはしないと即座に応じた。

 「だましてすいません」と、いやそれが弁護士の仕事だからと言った。私もショックを受けなければいけないのだろうが、弁護を続けている時には常に起きること。だからといって裏切られたと非難するようでは弁護士の資格がない。なので、意外ほど冷静でいられた。

=つづく

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