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「先生すみません。自分が犯人でした」 カギになった「onigoroshijuzo2」詳報・遠隔操作事件・佐藤弁護士会見その1(1/2 ページ)

» 2014年05月20日 15時49分 公開
[ITmedia]

 4人の誤認逮捕につながった遠隔操作ウイルス事件で、起訴されていた片山祐輔被告(32)が自分が犯人であることを認めた。片山被告が告白した佐藤博史弁護士が5月20日記者会見し、連絡が取れなくなっていた片山被告の行動や、きっかけになった真犯人からのメール、これまで謎だった点の真相などについて、本人から聞いた話について語った。

photo 会見した佐藤弁護士=ニコ生より

「先生すみません。自分が犯人でした」

 昨日(19日)の記者会見が終わった後ずっと連絡とっていたが、メール含めて連絡はなかった。だが昨日、帰宅途中のタクシー内で片山さんから電話があり、出たところ、「先生すみません。自分が犯人でした」と言った。

 片山さんは19日午前12時過ぎ、東京地検から保釈取り消し請求が出ていると聞いて弁護士事務所に向かったが、ネットで「荒川の河川敷にスマホを埋めていた」と報じられ、これが事実だと分かってしまったらだめだと考え、事務所に向かうのやめて、自転車に乗り、死ぬことを考えて、どこかの公園で自殺をはかったが死にきれなかったという。

 電車で高尾山に向かって山中を放浪し自分のベルトで首をつろうとしたが切れるなどして死にきれなかった。山を下りて、私に電話をかけた時には電車の音がしてたので線路の近くだったのが分かった。ホームの下の退避壕のようなところにいたが、飛び込めなかった。佐藤さんにお詫びをしようと電話をかけたという。

 私が出た時は死ぬと言っていたので、そういうことはやめてちゃんと出てくるべきではないか、と言った。会話の合間に電車が通過していた。東京に戻ってこいといい、彼が電車に乗り、まわりに人はいなかったそうだが、通話を続けた。新宿に近づいたので彼が切り、じゃあまた明日と。「でももう会えないかもしれない」というようなことを言っていた。

 携帯の電源が切れた状態が続いたが、今朝になって6時15分ごろに電話があり、生きてることが分かった。ある新宿のホテルに泊まったと、先生に会いたいというので迎えにいった。最終的に彼の顔を見たのは午前7時をまわっていた。事務所に行き、改めて話を聞いた。今後は保釈が取り消されて収監されるだろう、あらいざらい話すべきではないかということを言い、彼も了承した。

 9時15分ごろ、地検公判部の担当に電話をかけ、片山さんが犯人であると認めた、間違いなくそうだと考えられるので、保釈取り消しは進めていただき、身柄拘束してもらうしかないと、今は事務所にいると伝えた。9時半に連絡があり、9時45分ごろ、裁判所からの保釈取り消し決定があった。実際に検察官がきたのは10時半ごろ。検察官は死ぬというようなことは考えるなという話をして、彼も安心したようだった。私はエレベータホールで握手して別れた次第だ。

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