ハッカドールは、ニュースサイト、個人ブログ、まとめサイトなどさまざまな媒体から、ユーザーの好みにマッチした情報を横断的に検索し、1日3回ニュースとして届ける。「使えば使うほど賢くなる」のが特徴で、ユーザーが閲覧した記事や検索ワードなどを学習し、よりマッチした情報を提供するよう進化する。
「面白いコンテンツよ、もっと届け!」――アプリには、そんな願いが詰まっている。ユーザーの好みに応じた情報を高精度で届けることで、埋もれた良質な作品をより多くのファンに届けたいという。「コミケで購入した同人誌を読んで作品やキャラクターをより深く知るように、ハッカドールを通じてオンラインでも好きな作品やキャラクターに出会ってほしい」
特定媒体との提携は行わず、ニュースサイトからまとめサイト、個人ブログなど幅広く情報を収集。媒体とオープンにつながり、制作側だけでなくファンによる発信もとらえることが、コンテンツの盛り上げにつながるとみている。「アイマス(THE IDOLM@STER)が流行ったのは、同人文化やニコニコ動画を通じてユーザーが自ら参加し、世界観を広げたから」――岩朝さんはそんな例を引き、ユーザー発信の重要性を説く。
アプリには、エンタメ要素も充実させた。公式の美少女キャラ・ハッカドール1号/2号/3号の3人がアプリの各所に登場。読んだ記事で「捗ったか」をユーザーに尋ねたり、彼女らと会話できるアドベンチャーゲームで遊べたりする。
一定数の記事を読むと、ハッカドールのイラストをあしらった「バッジ」や、アニメのエンディングの後に表示される「エンドカード」のようなイラストがもらえる機能や、ユーザーの好みのジャンルを「成分表」として表示する“お遊び”機能も備えた。
「ハッカドールのユーザーは、エンタメコンテンツという“楽しいもの”に触れたい人たち。アプリ自体も楽しくないと」――そう考え、さまざまな遊びの要素を採り入れた。ちなみに「エンドカード」という言葉も社内の非オタクには伝わらず、「なんでカードが出てくるの?」と困惑されたという。
ハッカドール1〜3号とトークできるフルボイスアドベンチャーゲーム「ハッカトーク」は、ユーザーの要望を受けて開発した機能。リリース後に最も多かった不満が、「ハッカドールの声が出ない」ことだったのだ。「えっ、ニュースアプリなのに声!?」と驚いたものの、社内のWebゲームのエキスパートに頼み込み、DeNA初のフルボイスアドベンチャーゲームを4日間で制作、実装したという。
ハッカドールの開発を担当した「美少女Mobage」チームは、選りすぐりのオタクたち約10人(うち2人は女性)で構成されている。人気声優ほとんどの所属事務所や直近のスケジュールを暗記しているという「声優ソムリエ」や、2次元の世界に生きる心は乙女の男子“オトメン”など強烈な個性を備えたメンバーが、美少女キャラのポスターやタペストリーが貼られた「美少女島」と呼ばれる社内の一角に集う。
「DeNAはスマートな会社にみえるが、チームメンバーは『そんなことはいいから美少女だ!』みたいな人ばかり」。メンバーはそれぞれ、美少女コンテンツのコンサルティングなど別の業務を行いながら、4カ月でハッカドールを開発するという特急スケジュールだったが、楽しみながら開発しており、「半分ぐらいの機能は、頼んでいないのにメンバーが勝手に作った」という。
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