STAP現象が再現できないとすれば、小保方氏が4月の記者会見で話していた「STAP細胞の作成に200回以上成功した」とは何だったのか――相澤氏は「成功したという現象がどういうものだったのかが問題だ。GFP緑色蛍光を発する細胞塊が出てくる回数を数えただけではないか」と推定。「それがリプログラミング(初期化)されたものかは別の話だ」と話す。
「STAP細胞は存在しないと考えてよいか」との質問に対しては、「科学者としてはお答えできない」と応じた。「検証実験は、論文の手順に従ってSTAP現象が再現できるか調べたもの。今回の手順では再現はできなかったが、そこに可能性を見いだすか見いださないかは、個々の研究者の判断にゆだねる」(相澤氏)。
丹羽氏は、Nature論文(撤回済み)の発表後に追加で発表された実験の手順書(プロトコル)を執筆するなど、当初はSTAP現象の存在を前提にしていたが、今回の結果を受け、「Nature論文記載のデータをそのまま受け止め、整合性をもって説明しようとするとそう(STAP現象は存在すると説明することに)なった。だが、根本にあったデータ自身が揺らいでいることが今回の検証で分かった。緑色蛍光は出るが、そこから先は道がなくなった」と話した。
再発防止策を問われると、「科学は性善説で、共同研究者が出したデータは信じるもの。今回はそれが問題だったのかもしれないが、だからといって、共同研究者が出したデータを信じず、1から自分の手で行った研究しかできないことが科学として望ましいかというと分からない。今回のような問題を防ぐ方法は、自分でも言い切れない」と複雑な思いを吐露した。
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