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揺れる髪から生まれるファンタジー またよしさん教えて! 絵師さん

» 2015年03月03日 11時00分 公開
[山崎春奈ITmedia]
photo 夢がままの国

クリエイター:またよし

Webサイト:システムキッチンぱんつ

pixiv:またよし/Twitter:@matayosi

 幼いころから日常的に描いていて、部屋に動物やお姫様や母を描いた私の絵が貼られていた記憶があります。中学の時に美術部に入り、高校も美術部でした。藝大を目指して予備校にも通うものの合格は叶わず、その後の数年間は絵と関係のない仕事をしながら趣味で絵を描いていましたが、やっぱりもっと絵を描きたいと思うようになり、出版社へ持ち込みなどをして今は絵の仕事に専念できるようになりました。

 ここ何年かはお仕事で描いている時間が多く、主に書籍の挿絵やゲームのカードイラストなどを手がけています。その合間の息抜きというか、気持ちを落ち着かせるために趣味の絵も描いています。趣味の絵を描くと仕事の絵もはかどることが多いので、どちらも大事にしています。

 作画はデジタル、2007年発売のiMacで「PhotoshopCS5」を使っています。そろそろスペックが厳しくなってきたので、隠居させてやらねば……と、去年の暮れに思い切って「Mac Pro」を購入したんですが、ついつい名残惜しくて、箱開封もできていない状態なんですよね。春にはきちんと環境を整えて、卒業させてあげなくちゃと思っています。

 食べる寝る以外はずっと描いているような時期もありますが、ゆるいときは本当にゆるくて、全く描かない日もあります。そういう日は鞄も持たずに散歩をしたりするんですが、昼の光に当たることは体にも心にもすごくいいな! と最近よく思います。普段家にこもってばかりだと外に出るのはお腹の空く夜になりがちで……。なので、頬にあたる風や足元の影が冒険のようでうきうきしちゃうんだと思います。

 描いていて苦しくも楽しいところは髪の毛ですね。昔よく通っていたお絵描きチャットで「髪がうまく描けていると絵がうまく見える」という会話になったことがあって、それから意識して描くようになりました。時間をかけているからか、描いていて落ち着きます。

 絵を描いてきた中で得た経験はたくさんあってどれも大事なんですが、1つあげるとすれば人とのつながりでしょうか。バイトをしていた10年くらい前、知人から譲ってもらったノートPCでお絵描き掲示板やお絵描きチャットに通っていた時期があり、そこで出会った人たちとは今でもつながりがあります。今はみんな仕事が忙しくなり、なかなか会う機会も減ってしまいましたが、久しぶりに顔を合わせると当時と変わらない空気で話せることがうれしいです。

教えて! 自慢の1枚

夢がままの国

 帽子の表現がとても気に入っている1枚です。ボリュームのある髪は描いていて楽しいです。

ノーメイク

photo 「138°E」vol.1 掲載イラスト/2012/ワニマガジン社

 気持ちよくおそれずに描けた絵です。昔描いた女の子を今の私が描くとしたら…というところから膨らませて描き始めたんですが、うまく線や色と重なってくれたと思います。

魔人とのばらの魔女

photo

 3作目の絵本「魔人とのばらの魔女」が日本図書館協会の選定図書に選ばれたと聞いた時に嬉しい気持ちを込めて描いた、今も大事な絵です。最初のばら(女の子)をうまく笑わせることができずに苦戦しましたが、いい顔で笑ってくれてほっとしたのをよく覚えています。

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