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「これが1つの完成形」――「Xperia Z4」発表 ソニー、「商品力」でiPhone対抗へ(2/2 ページ)

» 2015年04月20日 15時54分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 今回発表したZ4は「ソニーの技術を惜しみなくつぎ込んだ」(十時社長)というフラッグシップモデルだ。今夏以降はZ4を中心として事業展開する一方、ミドルクラス以上で付加価値の高いモデルの投入も続ける。

 国内市場を「最重要」と位置付け、Z4もまず国内で投入するが、国内市場は米AppleのiPhoneが圧倒的な強さだ。十時社長は「Z4は基本的なところをきちんと押さえて進化させた1つの完成形。競争が厳しいことは認識しているが、今回のフラグシップに安住することなく、商品力を高めてまた新しいものを出したい」と話し、商品力の強化が経営建て直しやライバル対抗に最重要との認識を示した。

 また将来は、スマートフォンにつながるウェアラブル端末やガジェットなどが拡大すると指摘。「スマートフォンの強化とともに、新カテゴリーの商品を開発しようと社内では話している。当社の社名にあるように、新しいコミュニケーション体験を提供することが最重要。サービス的なものの展開も考えたい」と、スマートフォン以外の製品展開や、新サービスへの参入の可能性も示唆した。

 NTTドコモが13年夏モデルで「ツートップ」の1つとして「Xperia A」を売り込んでから約2年。Zシリーズ初代機「Z」発売からも今秋で2年となり、各機種を“2年縛り”で購入した顧客の買い換え需要が期待される。「買い換えは新規獲得より事業効率は良い。今のXperiaユーザーに、新しいフラグシップを楽しんでもらえるコミュニケーションを考えたい」。

 5月のSIMロック解除義務化をにらみ、国内では格安スマホ市場が活性化している。同社はソネット(So-net)を通じてSIMフリーのXperiaを格安スマホ市場に投入した。格安スマホについて十時社長は「判断するにはまだ早いが、徐々に拡大する可能性がある」とコメント。一方で「通信インフラが5Gへと進化していく中で、顧客のリッチ体験につながる新しいデバイスが必ず必要になる」とし、ミドルレンジ以上の端末の需要も引き続き維持されるとの展望を示した。

 SIMロック解除義務付け後の市場動向は「見定めが難しい。SIMロック解除が進んでも、通信事業者とのビジネス開発は従前と変わりなく進める」と話すにとどめた。

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