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「自分だけのお気に入り」との出合いを 作品数100万点超のハンドメイドマーケット「minne」が近づける、作家とファンの距離(1/3 ページ)

» 2015年06月05日 11時00分 公開
[山崎春奈ITmedia]

 ハンドメイド作品のオンラインマーケット「minne」が成長を続けている。アクセサリーから衣服、家具まで幅広くそろい、登録作品数100万点、作家数10万人を超える国内トップ規模になった。好みのデザインを探せる楽しさ、作家とファンが近い距離でコミュニケーションできる“ホーム”感を大切に、「温かさを感じるプラットフォーム」として育てていきたいという。

photo minne

 「minne」はプロ・アマ問わず自由にハンドメイド作品を登録し、販売できるサービスで、GMOペパボが2012年1月にスタートした。

 人気の秘密は、ウィンドウショッピング感覚で、写真を楽しみながら好みのアクセサリーや雑貨を見つけられる点だ。好みの作家や作品のフォローや「お気に入り」、メッセージを送るといったコミュニケーション機能もあり、単なるショッピングサイトである以上に、ハンドメイド作品に興味がある人のコミュニティーとして利用されている。

 出品は無料で、販売時に10.8%の手数料が取られる仕組み。販売はせず、作品を紹介するためのポートフォリオとして利用しているユーザーも少なくない。

photo 人気作品ランキング。夏が近いので涼しげな作品が目立つ

 ユーザーの9割超が女性ということもあり、人気のジャンルはサイズが小さくデザインのバリエーションも多いアクセサリー類。最近は家具や陶器、洋服などの販売数も増えてきているという。出品者、購入者とも10代の学生から子育てを終えた主婦まで、年齢層は幅広い。

photo 作家数・作品数推移

 6月1日時点で登録作品数は122万点、作家数は11.6万人とハンドメイドECとして国内トップの規模に成長している。今年1〜3月の流通額は6億1200万円と、前年同期から3.5倍に伸びた。年明けからアプリのダウンロード数が急増し、テレビCMを開始した2月に100万ダウンロードを超えた。

 急成長を受け、運営するGMOペパボもminneに会社の未来を託す。積極的な投資で年内に作品数200万点・作家数20万人・アプリ500万ダウンロードという目標を掲げる。

 米国では同様のサービスを運営する「Etsy」が急成長し、4月には株式公開を果たした。国内でもハンドメイド市場全体の登録作品数は3年前の約40倍に拡大しているといい、世の中のトレンドとして盛り上がりを感じているという。

 「他にはないデザインのものが見つかる」「ハンドメイドならではの温かみがうれしい」――ユーザーから寄せられる声にあるように、「SNSが普及する中で、『みんなにちょっと自慢できる自分が見つけた素敵なもの』というニーズが高まっているのでは」と、minne事業を立ち上げた阿部雅幸さんは話す。

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